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三陸手打ちそばの会、今年も東北を応援に行きました

三陸手打ちそばの会は、毎年、東北の地震で被災した地域を訪ねて、蕎麦ぶるまいをしています。
今年も、代表の三平廣幸さんにレポートをお書きいただきました。

 北海道で「蕎麦のソムリエ」講座を受講中の三平廣幸さんと、そのお仲間は、蕎麦打ちの技術で、人に幸せを届けたいと、蕎麦ぶるまいのボランティア活動を行っています。
 2011年3月に東日本大震災が起こった直後、4月から6月まで被災地に入り、支援活動を行いました。その後、仮設住宅に暮らす方々に、蕎麦を御馳走して差し上げたいとの思いから、蕎麦打ちの練習を始めたのです。
 以来、志を同じくする仲間たちと一緒に、毎年、麺棒をたずさえて被災地を訪ね、支援活動を行っています。
 三平廣幸さんのレポートをご覧ください。


【三陸手打ちそばの会を終えて】

 今年も、釜石市・大槌町・山田町にて、2016年4月25日から5月6日まで12日間、14カ所で、そばを振る舞うことができました。私たち総勢13名により、各々が都合の良い日程に参加しました。
 少数のときは5名の参加で行い、大勢のときは11名の時もありました。
 私たちは、そばを打つ者と、打てなくとも運びなど、お手伝いする者が一体となり、ささやかなそばを振る舞うことを目的に、北海道・岩手県・神奈川県・埼玉県・東京都から集まり、三陸手打ちそばの会を運営しています。
 14カ所中の山田町大沢では、ちょうど花見どきでしたので、ご馳走の中に手打ちそばも入れて頂きました。
 そばを振る舞うはずが、倍返しで、ご馳走されてしまいました。今が旬の帆立・牡蠣・しらす刺身・しらす汁・ほや等、私以外はお酒をいただき、カラオケまで歌い、楽しいひとときを過ごしました。
 地元のお婆ちゃんに、そば粉を分けて頂きたいとお願いされ、一袋作り、そば粉は売り物でないですからと、お婆ちゃんに受け取って頂きました。
 その後、お婆ちゃんのお嫁さんからお礼のお手紙が届きましたので、一部紹介させて頂きます。

『身近に、手打ちそばが出来上がって行くのを、引き込まれるように見せていただき、ありがとうございました。祖母が、懐かしさがよみがえって、つい失礼なお願いをしてしまいました。応じて下さり申し分けなく思いました。ありがとうございました。粉と水の分量、忘れないうちにと、友達と分けあって早速作って見ました、時間をかけて先生のお手元を思い出しながらやって見ました。厚み、巾共、不ぞろいでしたが、私流の初めて作った手打ちそば、嬉しくてお隣り迄ごちそうし喜ばれました。ご苦労を積み上げられた貴重な技をさらけ出して、沢山の方をもてなしていただきました事も重ねてお礼申し上げます。お陰様で、食のよろこび、作る楽しみが出来ました。』

 山田町大沢の漁師の方達と豊漁を願う酒盛りに呼ばれ、手打ちそばを召し上がっていただいた。
 そば打ちに歩く私達にとって、何より嬉しいことです。
 今後もささやかな振る舞いですが、私たち三陸手打ちそばの会、来年も訪れるつもりです。

                              代表 三平 廣幸
三陸1.jpg

(追伸)

 5月2日は釜石市大松でそば振る舞いをしました。少し早めに片付けられたので、遠野市宮守町達曽部にある『手打ち蕎麦水の里』へ蕎麦を食べに行って来ました。遠野駅から車で30分ほどの距離。通りすがりで寄れる場所では無く、人知れずひっそりとたたずむ、静かな蕎麦屋です。
 手打ちはもちろん、収穫から挽き臼まで、すべてここで行います。もしかすると伺ってはいませんが、当地の在来種かも知れません。昨年ご主人を亡くされ、今は、娘さんがお手伝いに来ているようです。
 2年前ですが、打ち方を見せていただきました。地のしは、うどんと同じように足で踏み伸ばすしかたで、粘りが出そうです。ゆでは、鍋にすくい、籠を先にいれ蕎麦を茹でますが、蕎麦を泳がせず、グツグツ煮て、揚げます。このそば、よくかんで食べると、そばの味がでて美味しいです。
 店の中に入りお品書きを見ると、ざるそば500円、かけそば350円、みんなで値段の違いは何だろうねと、ひそひそ話しながら美味しく頂きました。
 今思えば、そばのグラム数で考えると、ざるそばの方が量が多いので、おそらく量の違いが値段に出たのでしょう。
 それぞれの土地に、人の思いがこもった、すばらしい蕎麦があることを再認識しました。

三陸2.jpg

(昨年の記事は、こちらのページにあります)
http://sobaweb.com/news/20150908073541.html


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