雑誌『自遊人』掲載「在来種の蕎麦」特集をご一読ください。現在書店で発売中です
7月26日発売の『自遊人』で、「在来種の蕎麦」特集が、約70ページにわたり組まれています。片山虎之介が企画、執筆、撮影をしたものです。
一般の雑誌では珍しく、ほぼまるごと一冊という規模で書かせていただけたので、今まで発表していなかった、多くの情報を掲載することができました。
蕎麦を愛する方には、ぜひお読みいただきたい一冊です。
今まで名前とイメージばかりが先走り、迷信も少なからず広がっていた在来種の、食味や産地の情報を、詳細に紹介しています。
現在、日本に流通している蕎麦粉は、品種改良されたソバ品種から作られたものが中心になっています。
そうした状況の中で、なぜ今、あまり流通に乗らない在来種が注目されるのか。そのあたりを、綿密な取材をもとに、わかりやすく解説しました。
改良品種のソバは、栽培の容易さや、収量の多さ、蕎麦粉に製粉する作業のしやすさなどにおいて、とても優れた面を持っています。また、国内での栽培面積も大きく、日本で消費される蕎麦の大黒柱ともいえる重要な位置を占めています。
そういう意味で、品種改良されたソバは、とても大切なものです。
この特集は、改良品種のソバを否定しているのではありません。
記事を良くお読みいただけば、わかるように、蕎麦の味は、品種だけで決まるものではありません。
何よりも大切なことは、土です。どのような場所で、どのような畑で、どういう意識を持った生産者が、どのようにていねいに栽培したか。そして、その年の自然条件はどうであったのか。これらのことがすべて積み重なって、蕎麦の味は決まるのです。品種が何であるのかということは、そこで積み重ねられる要素の中の一部です。
しかし、ソバの栽培に好適な深い谷間などの狭い畑で、昔ながらの方法で手をかけて栽培されるソバの品種は、やはり在来種が多いのです。
現在、日本各地の在来種は、急速に消え続けています。放っておくと絶滅してしまう可能性さえあるのです。
新しいソバ品種を作る際には、在来種のソバは、どうしても必要なものです。その在来種が絶滅の危機に瀕しているのです。一度失われてしまった遺伝資源は、永遠に取り戻すことはできません。
遺伝資源の保存という意味でも、在来種の保護は、今日的な意義を十分に持っています。今こそ、在来種を守ることができる最後のチャンスなのです。
そうした事柄についても、この特集では触れています。
この蕎麦特集をお読みいただき、在来種についての認識を新たにし、蕎麦の素晴らしさをより深く知っていただきたい。それが、この特集を企画したもとになっている「願い」です。
ぜひ、ご一読ください。
片山虎之介


編集部便り
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