HOMEMagazine2011年蕎麦Web博覧会 > 蕎麦とジュエリーと自由の館

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外観は江戸時代末期に建てられた古い家。
中に入ると、かわいいもの、不思議なものがいっぱい

 中国の気功師が来訪し「陰の気が渦巻いているっ!」と、たじろいだというこの家。陰の気さえ逆転させてパワーに変えてしまう、不思議な美の国の住人、山崎史朗さんの館を訪ねました。
 山崎さんはとにかく、あまりにも多芸多才な人なので、こういうときはできるだけシンプルに説明したほうがいいと思うのです。だから天の川に光り輝いている数えきれない星の中から、青い星だけを拾ってならべるみたいに、蕎麦に関わりのあることだけに絞って、お話ししましょう。
 

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 山崎さんは、美味しい蕎麦を打つ人です。そして山崎さんの友達になれば、その蕎麦を食べることができます。
 この館『水眠亭(すいみんてい)』を訪れる客人は、歌手、俳優、僧侶、ミュージシャン、美術家、俳人、茶人、小説家、デザイナー、噺家などなど、書ききれないほど様々な職業の人々です。

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 この人たちの共通点は、まず、蕎麦が好きだということ。そして、自由を愛する心を持っているということです。「蕎麦好き」「自由好き」であれば、山崎さんの不思議の館に招待される資格があります。
 あなたが電話して、そのときに山崎さんが、たまたま時間があって、あなたと山崎さんの会話が弾んで気が合えば、この館を訪ねる予約が取れるかもしれません。
 そうしたらしめたもの。あなたは別世界、異次元、不思議ワールドをかいま見ることができるでしょう。

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 山崎さんは「現在」、ジュエリー作家です。同時にミュージシャンでもあり、俳人でもあり、茶人でもあります。さらに、蕎麦打ちも良くこなす人です。
  
 館ではときおり、コンサートが行われます。そこで山崎さんはベースを弾き、ライブで蕎麦打ちもやってみせます。居並ぶ観客は、その打ちたての蕎麦を味わうことができるのです。
 なんとシアワセな!

 今年の9月には舞踊家の田中 泯さんが、この家の裏を流れる串川で、舞踊を披露します。そして韓国のサクソフォーン奏者、姜泰煥 (カンテーファン)さんが、それに合わせて演奏します。世界的な巨匠ふたりのコラボ。好きな人なら武者震いするようなイベントです。
 7月15日『蕎麦Web博覧会』の初日に、このページを読んだ方、運を掴むにはスピードが大事です。まだ一般告知がされていないこのイベント。すでに全30席のうち15席が埋まっているということですが、今すぐ電話すれば、チケットが取れるかもしれません。さあ、すぐにお電話を・・・!

 前述したように、山崎さんはジュエリー作家です。作品は、女性、男性が身につけるアクセサリーのほか、茶道具やパイプ、器類など、様々なものを作ります。
 蕎麦関係では、「手打ち蕎麦道具セット・箱膳」という、携帯用の蕎麦打ちセットを作りました。
 これは20kgほどの重さの、アタッシュケースを大きくしたような木製の箱。中には、半分に折れる延し板から、木鉢、麺棒、包丁。さらに蕎麦粉までコンパクトに収められています。この延し板で、1kgほどの蕎麦粉で蕎麦打ちができるそうです。50セット作って45セットが売れました。残りは山崎さんが、蕎麦打ちパフォーマンスをするときなどに使って重宝しているとのことです。

 山崎さんの最新作を集めた作品展を、来春5月に京都の名刹・東福寺の「退耕庵」で開く予定です。
 東福寺は、麺の食文化を中国から日本に伝えた聖一国師ゆかりの寺。ここで山崎さんは、オープニングで蕎麦打ちを披露することになっています。
 この展覧会は『水眠亭』の裏の串川で行われる舞踊とは違い、定員はありません。興味のある方は、ぜひお出かけください。

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 京都までは、なかなか行けませんとおっしゃる関東地方の方にも、朗報があります。
 東京銀座の『ACギャラリー』で開催中の「蕎麦の器展」で、8月26日の金曜日、16時から山崎さんが蕎麦打ちをして、蕎麦を振る舞ってくれます。詳細は『ACギャラリー』のパビリオンから、ホームページに飛んで、料金などを確認してください。

 この「蕎麦の器展」には、山崎さんも出品する予定だったのですが、忙しすぎて、どうしても作品が間に合わず、今回は不参加ということになってしまいました。その穴埋めというわけではありませんが、見事な蕎麦打ちを、会場で披露してくれるそうです。
 ただし蕎麦振る舞いには定員があって、早いもの勝ちの20名限定。運を掴むには、やはりスピードが大切なようです。

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 不思議の館の話に戻りましょう。
 この館の『水眠亭(すいみんてい)』という名前は、裏を流れる串川の風景が、眠りを誘うほどに心を癒してくれるところから付けました。山崎さんはこの川を、とても愛しているのです。
 川辺の家は山崎さんのアトリエなのですが、同時に仲間たちと酒宴を繰り広げる場でもあります。気のあった仲間たちが、夜な夜な、ここに集まり、酒を飲み、山崎さんの打った蕎麦を食べては、現世のわずらわしさから解放されたひとときを過ごすのです。
 その噂を聞き付け、私にもそのうまい蕎麦を食べさせて欲しいという人が、ときどきいるので、山崎さんさえその気になれば、予約で希望を叶えてあげることにしているのです。
 料金は、一律5000円。うまい酒が出て、山崎さん手作りのスモークが出て、さらに様々な御馳走が並んで、最後に極上の蕎麦が出る・・・その内容から考えると、決して高くはないと思います。


話は変わって・・・区切り線


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 アントニ・ガウディの雰囲気もちょっと感じさせる、不思議でかわいいインテリアの中で、この世のものとは思えない時間が流れていきます。いちど、この世界に引き込まれたら、もう今までの生活には戻れないかも。
 それでもいい。禁断の世界をのぞいてみたいという、蕎麦と自由を愛するあなた。どうぞ電話のキーを押してください。
 番号は、042-784-6662。
 不思議の館の名前は『水眠亭』です・・・ふっふっふ。


『水眠亭』
神奈川県相模原市緑区青山2264
(『水眠亭』のホームページにリンクします)
http://www.suimintei.com/