貴重な小粒のソバを使い、石臼、手挽きの蕎麦だけを供する奇跡の店。
『仲佐』は、岐阜県の下呂にある小さな蕎麦屋です。
この店の蕎麦は、味も香りも秀逸ですが、際立っているのは「食感」のただならぬ滑らかさ。食べた人は皆、一様に目を見張ります。
『仲佐』の主人、中林新一さんは30年ほど前、蕎麦屋を開業するにあたり、旨いソバの実を八方手を尽くして探しました。その結果、巡り会ったのが、稲核在来(いねこきざいらい)という名の小粒のソバ。今では、ほとんど失われてしまった、昔ながらのソバです。
北アルプスの山中に、かろうじて残っていたこのソバを中林さんは、畑を持つ農家と力をあわせて、30年以上、栽培し続けています。
『仲佐』ではこの稲核在来を農家から、一般的な相場の3倍の値段で買い入れています。中林さんは、それについて、次のように語ります。
「これより質の落ちたソバは使いたくないんです。栽培し続けてもらうために、農家を守らなくてはいけない。だからこの値段になるんです」
もしも栽培する人がいなくなり、このソバが手に入らなくなったら、もう今のような蕎麦は打てないとまで、中林さんはいいます。
その貴重にして極上のソバを、中林さんは毎日、重い石臼を手で回して製粉。世界にふたつとない個性的な蕎麦を作っています。
下呂の名店『仲佐』の至高の蕎麦を、蕎麦好きなら一度は食べてみてください。あなたが抱いていた「蕎麦とはこういうもの」という概念が、大きく書き直されることでしょう。
『仲佐』
岐阜県下呂市森918-47
電話0576-25-2261
営業11時30分~売り切れ迄
夜は要予約
定休 水曜日(祝日は営業)
http://nakasasoba.com/