美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　土曜日とはいえ開店時間11時の15分過ぎに入店したにもかかわらず、行列待ちです。お店の看板より駐車場の看板が大きく、３か所あります。お店は住宅街にある民家です。入店した玄関も民家のつくりで、待つためのベンチが３つあり、既に待つ人が２名でした。

ベンチに座ると、メニューが渡され、おろし蕎麦とけんぞう蕎麦がありました。けんぞう蕎麦を選びました。玄関には細川護熙元総理大臣の写真と直筆の毛筆の掛軸がかけられていました。５分程待つと席に案内されました。昭和３0年代頃におばあちゃんの家に行った時にあったような朱塗りの戸がはいったつくりです。２部屋に４人がけのテーブルが８つあり、奥に仕切られた部屋にもお客様がおいでました。部屋の上部にはテレビで目にする方が色紙に書いたサインが３０枚ほどかけられていました。

　室内を眺めている７～８分のうちに蕎麦が運ばれました。福井県産と北海道産をミックスした蕎麦粉を十割で打った蕎麦が、美味しそうな山に盛られています。蕎麦をひと口食べると、細切りでありながらモチっとして、蕎麦の香り豊かです。蕎麦猪口には大根のおろし汁が1/5ほど入っていて、別容器に入っているつゆを入れます。醤油味が強いつゆを、大根のしぼり汁にあわせると辛味とまろやかさが出ます。つけて食べると大根の辛さで蕎麦をすっきりと味わえます。口に残る大根の辛味は、付いている大根の漬物で和らげられます。

　ご主人は、全日本素人そば打ち名人大会で２年連続最優秀賞を受賞した経歴を持ち、６０歳で蕎麦屋を開業したとホームページにあります。辛味大根と蕎麦の相性のよさを美味しく味わええるお店です。