蕎麦鑑定士のテキストにも度々登場した「かんだやぶそば」。火災による消失前に一度訪れ、店の雰囲気や出された蕎麦の記憶がまだ鮮明に残っているお店に再建後初めて訪れました。
回りを高層ビルに囲まれた中、木々が生い茂った小さな森のような外観でこの場所だけ異なる時間が流れているかのようです。入口の看板や灯篭など、以前と変わらないものが残っており、うれしくなって思わず写真を撮ってしまいました。
広い店内は全体が良く見渡せる、フラットな椅子・テーブルの配置となっています。趣という点から見れば少し残念ですが、花番の女性たちが常にお客様に目を配りやすい配置という事ではないでしょうか。大勢のお客様と独特の節回しの注文を通す花番や女将の声で店内は活気に溢れ、昔ながらの「かんだやぶそば」の雰囲気を醸しています。
メニューの中から「せいろうそば」と「そば寿司」を注文しました。かんだやぶそば独自の緑がかった細身のつややかなおそばです。香りはそれ程感じませんが、するっとした喉越しで何枚でも食べられそうです。出汁は醤油のきりっとした辛汁で後から甘みが口の中に残ります。そば寿司は初めて頼みましたが卵と甘く煮込んだ椎茸、かんぴょうの素朴な味わいで、驚いたことに口の中でそば1本1本の存在を感じるものでした。
ここ「かんだやぶそば」は敷居の高さを感じる店ではありません。お蕎麦も非常にオーソドックスなものだと思います。それでも1階だけで77席もあるお客様の注文を待たせる事無く、常に美味しい状態で昔から変わらない味で提供し、そのために大勢の花番や厨房で働く人たちがいる。
新しく建てた店には、室内ですが店内と別れた場所に待合や喫煙室、清潔なお手洗いがレイアウトされている。お客様の事を考え、当たり前の事をきちんと長年続けてきたことが、この店の歴史となり伝統として受け継がれているのだと感じました。建物は新しくなりましたが、店に一歩入ると以前と変わらない「かんだやぶそば」を感じる事が出来ました。
店名 | かんだやぶそば(千代田区) |
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電話番号 | 03-3251-0287 |
住所 | 東京都千代田区神田淡路町2-10 |
アクセス | JR御茶ノ水駅 聖橋口徒歩5分 |
営業時間 | 11:30~ラストオーダー20:00 |
定休日 | 水曜日 |
平均的な予算(昼) | ¥1,000~2,000- |
平均的な予算(夜) | |
予約 | 可 |
クレジットカード | 不明 |
個室 | 有 |
席数 | 1階77席 2階 20席 |
駐車場 | 無 |
禁煙 | 禁煙 |
アルコール | 有 |
ホームページ | http://www.yabusoba.net/ |