美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

群馬県沼田市にある、大正時代から続くおそばやさん"あがりや"さんに伺ってきました。

お店の建物は昭和の時代によく見掛けた駅前食堂の風情を残すもの。店内はきれいに掃除されていて、よくありがちな生活感を感じさせるものは見当たりませんでした。

このお店は、そばといなり寿司が評判であると事前に聞いていました。沼田市がある群馬県北部の食文化に関する本を読んでみると、「大豆が採れて豆腐、油揚げなどを各家庭で作っていた。ハレの日にはいなり寿司や赤飯を近所に配った。そばは細くつなげて打つのが難しいので手抜き料理としてそばっかき（そばがき）で食べた。」とあり、この辺の事情を踏まえて商いの柱にすえるようになったのではと考えます。

以上の事を頭に置きつつ注文したのは、もりそば（４００円）といなり寿司２個（１ヶ６０円）。おそばは厚さ1.5ミリ、幅２～３ミリ位の平打ちでそば粉の割合は5割程？。つゆは、普通。味を調えるために化学調味料の使用も考えられますが、価格を見ると納得の味。いなり寿司は少し濃い目の味付け。おそばに合うように濃くしていると店員さんが仰っていましたが、食べていると冷やしきつねそばと同じかも、と思いました。