美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　北見市内、住宅が並ぶ中に、のれんの下がった家がありました。こちらが1ヶ月ほど前に開店したばかりという「杜のそば家　山本」です。

　1日限定20食と聞き、電話で予約をして向かいました。

　玄関で靴を脱いで上がると、天井が吹き抜けとなっている部屋にテーブル席が3席とカウンター席があり、内装も含め、落ち着いてゆっくりできる雰囲気作りがなされています。

　今回食べたのは、冷たい鴨南杜そば（外一）と、温かいホタテかき揚げそば（十割）の2種類です。

　冷たいそばは細麺で、しっかりと角の出たお蕎麦でした。そば粉の風味も味も十分にあり、それだけでも楽しめるものでした。つけ汁の鴨は脂っこくなく、長ネギの白い部分は細かく包丁が入り、焼き色もきれいについていました。つけ汁は少し辛めかと思いましたが、細麺に合い、お互いの風味を消さず、ちょうど良い味になっていました。

　温かいそばは十割の太麺で、田舎風となっていました。温かい十割そばは正直、ちぎれやすい印象がありましたが、こちらのお蕎麦は麺も味もしっかりしており、モチモチしていて、汁に入っていながらもそば粉の味が伝わってきました。するすると食べるのもおいしいですが、少しずつ口に入れてしっかり噛んで十分に味を楽しむこともできるお蕎麦でした。

　1日限定20食のお店です。これから名前が知られていけば、予約困難店になると思います。

　奥様の話によると、毎日必要な量だけを7−8時間かけて製粉するそうです。お蕎麦はするすると食べてしまうものと思いがちですが、蕎麦だけをつまみ、薬味と一緒につまみ、汁につけて楽しむという、蕎麦のゆっくりとした味わい方ができるお店だと思います。