入口の傍には薪ストーブが焚いてあった、炎がやわらかく心がほっと落ち着く。店の中央には分厚い一枚板のテーブルが置かれ、丸太を輪切りにした椅子が周りを取り囲む、窓際のカウンターからは公園で元気で遊んでいる子どもたちの姿が見える。
ご主人の趣味が高じて住宅を改装して開店したのはまだ間もない、公務員を早期退職してから手打ちそばにのめりこんだといい、お客さんと楽しめるそば屋にしたいとの拘りが垣間見れる。お客さんとゆっくりと蕎麦談義がしたくて軒先には暖簾がなく、電話帳にも掲載していない。大勢のお客さんが来られると楽しみが少なくなるからと云うのが理由なのです。
地元の農家で栽培したソバをご主人自ら手狩り、島立て自然乾燥させてから知人宅の石臼で挽いている。お品書きには冷たいそばは「ざる」「水そば」「冷やかけ」「おまかせ」。温かいそばは「かけ」「おまかせ」だけの6品目です。そして冷たいそばと温かいそばは別々の釜で茹で、一度に茹でるのは2食までと、拘りがここにも。
ざるそばを注文してから間もなく小さなお皿にそば団子(そばがき)が運ばれゆっくりと味わう、その後にメインのざるそばが、褐色が強い十割の細麺で角がしっかりと切られいる。喉越しは云うに及ばず歯ごたえは十分に堪能できる。香川県のうどんの旨さは麺の「エッジ」が効いていると言われているが、まさにこのそばはエッジが効いている。つけ汁は隣町の湧き水を使用しているのだそうで、ここにもご主人の拘りのひとつがあるのです。数種類の素材が絡まって奥行きを感じさせる辛汁である、薬味の山わさびを麺の上にちょこっと置き、汁にも少しだけくぐらせてから口に運ぶと、たまらなくすっきりする。そばの後はそば寒天とそば湯となり美味しさが何十にも重なりました。
ご主人が履いている下駄が店内に、から~ん、ころ~んと心地よい音が奏でている店を後にしました。
【写真の説明】
7-1 「ざるそば」左上からそば団子(山ワサビ付)、ワラビの漬物
薬味にすりおろしの山ワサビとねぎ/700円
7-2 店内のストーブの炎がやわらかい
7-3 住宅を改造した素朴な店舗
店名 | そばや 一秀 |
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電話番号 | 01558-6-3314 |
住所 | 北海道広尾郡大樹町鏡町1-26 |
アクセス | JR帯広駅から車で1時間30分ほど、帯広市を南北に延びる国道236線を南進し、大樹町を流れる歴舟川を渡って左折した住宅街にある。 |
営業時間 | 昼のみ/午前11時30分~午後2時30分 |
定休日 | 毎週水曜日 |
平均的な予算(昼) | 1000円 |
平均的な予算(夜) | |
予約 | 不可 |
クレジットカード | 不可 |
個室 | 無 |
席数 | 中央テーブル5席、窓際カウンター3席の合計8席 |
駐車場 | 有/2台 |
禁煙 | 喫煙可 |
アルコール | 無 |
ホームページ | なし |