美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

交通機関は車を利用するしかないのだが、国道を走行するドライバーにとっては一休みができる場所で、 甘納豆を製造販売している「岡女堂」に立ち寄る方も少なくない。 同じ敷地内の「田でん」は昼時になるとそばを愛食されている遠方からのファンも多い。

国道沿いの広い駐車場から階段を駆け上がった少し高台に「田でん」の店舗が田園風景の広がる日当たりのいい場所にある。 開店してから6年目ということで、店主は趣味でそば打ちを永年していたが一念発起して念願のそば屋を開店。 今も常連からそばの食味に真摯に耳を傾けているという。

もりそば／600円

そば粉は幌加内産の粗挽きの石臼挽きを取り寄せ、つなぎ外1で全ての工程を手打ちしている。 淡褐色のあるやや太めに切られた麺帯に近寄ると、甘皮の斑紋が星のように散らばっているのが分かる。

麺を手繰っただけで箸から麺の硬さが伝わり、噛み応えのある弾力とそば本来の風味は噛めば噛むほどその豊かさに圧倒される。 辛めのつけ汁との相性も抜群で、練りワサビをそば面にのせ少しだけ汁につけ手繰るとワサビの清涼感と相まってそばを引き立てる。

食後にはコーヒーが出てきた、南側の大きな窓からは陽が店内を明るく射し、 ゆっくりとコーヒーを飲みながら田園風景を眺めていると、眠気が襲ってきたので、隣の「岡女堂」に立ち寄り甘納豆をお土産にして帰路に就いた。