美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

観光都市の函館、元町地区といえばハリストス教会などの教会が建ち並び古い建物が多い保存地区としても有名です。

　なかなかの急な坂である大三坂を函館山方面に進むとまさに坂の途中に古民家風のお店があります。店の向かい側が駐車場として利用できますが、車の運転には注意が必要です。

　大正時代からの建物を改修した店舗で、石畳を通って白い暖簾をくぐり店内へ、一人ですというとカウンターの席を案内してくれました。注文しようとメニューを開くと色々とあるので悩む方は悩むのでしょう。私はそばの味を確かめようと、手打ち蕎麦屋さんでは必ずセイロ蕎麦か、もり蕎麦を注文します。最初に出されたお冷はダッタン蕎麦茶でした。

　蕎麦粉は常陸秋蕎麦と乙部産のキタワセ種の丸抜きを使用しているとのことで、今日使用しているのは乙部産の二八の手打ちだそうです。

　薄緑色の細い麺ですが、意外や意外コシがしっかりとあり、思ったよりも麺の角があり、長さも食べやすく均等で揃っている。北海道の各地で蕎麦の栽培が盛んであるけれど、蕎麦の味は総じて風味が強いと感じます。この乙部産も蕎麦を手繰るだけで蕎麦の風味が強く感じ取れます、細麺ながらも噛み応えが十分にありました。キリッとした超辛口のつけ汁はチョイと蕎麦に付けるのがこの店の特徴にもなると思います。

　夜の営業では、お酒のお供になるメニューも豊富のようなので、函館山からの夜景を楽しんだ後に是非立ち寄りたいと思いながら店を後にしました。