美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　国道５号を函館方面に向かい八雲市街地を抜けて間もなく、右側に八雲温泉の建物があります。その左側に店への入り口を案内するそばの幟が立っています。道沿いに進むと太平洋の海が見えてきます、さらに線路脇(函館本線)の砂利道添いの古い建物がそば屋です。

　民家を改修して店舗にしたとのことですが、外観はもとのままの状態なのでそば屋には見えません。

　玄関の引き戸を開けると普通の民家の玄関です。靴を脱いで左手が客間となっています。広々とした店内は飾り気のないシンプルな佇まい。

　ご主人は八雲町内の手打ちそば愛好会の会員の一人として仲間と共に今も例月のそば打ちを楽しんでいるという。この日もボランティアでそば仲間のお二人がお客さんの接待と、厨房のお手伝いをしていました。

　この日のそばは、江丹別産のキタワセ種で二八の手打ちそばです。

　中太の麺でやや明るい灰色で、麺帯に星が見られます。そば切りはきっちりとした角が立っていて、コシも適度にありそばの風味が噛んだときに鼻に抜けるのが好い。つけ汁は甘めでその濃さもそばとの相性がバツグンでした。

そば湯は窯湯のうわずみを使用していて、辛汁に割っていただくと出汁の香りが一層引き立ちます。