美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

岩井唯一の商店街（メインストリート）の、西の外れにあります。岩井交番（警察署に見えます）の前からチョット右を見ると大きな看板が出ているので、お店はすぐ見つかります。『四つ六庵』（よつろくあん）と、ちょっと珍しい店名なので、すぐに覚えられます。店の人に話を聞くと、岩井では数百年続く家だそうで初代が六兵衛でこの近所は数件しか家の無い寂しい所だったそうで、なにかその辺で「四つ六庵」が屋号になったそうです。

メニューの種類も多く、そばにうどんはもとより、丼物や各種定食などメニューは豊富ですが、間違いなく「そば屋」です。店から通り一本挟んだ隣の小屋でそばを打っていて、そこから運んでは店で出されています。

名物は「鴨汁そば」です。よくある鴨せいろでは無く「鴨汁」なのです。写真でもわかるとおり、鴨汁の入れ物はかけそば用の普通サイズの「どんぶり」に並々と汁と具が入ってくるので、最後まで汁が冷めず味も薄まりにくいのが特徴です。そばは典型的な「田舎そば」風で、若干黒味を帯び太さは太めで、茹では若干硬めに上がっています。蕎麦は良く見ると曲線や波状になった、伸した縁の部分が少々混ざっていますが、これもご愛敬です。お勧めの「鴨汁」をたっぷりつけ、ゆっくりかむ方がそばの味をじっくり楽しむ事ができます。汁だけでなくそばの量も多く、木鉢のたっぷり盛られてきます。量は大盛りクラスで、私も普通盛で充分満腹感が得られます。まして、この岩井地区は美味しい米が出来ますので、蕎麦湯で割った汁で「塩むすび」を食べるのも、楽しみの一つです。

夜は、つまみを取りながら一杯やるわけですが、仕上げは蕎麦です。飲んだ後では、普通の一人前が食べきれなければ「ミニ鴨汁」と言って注文すれば、四角い小ぶりのせいろに盛った蕎麦が出てきます。「鴨汁そば」を中心に紹介しましたが、勿論普通のメニューも揃っていますから、普通のお蕎麦屋さんのつもりで入って下さい。