美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　能登半島の七尾インター（能越自動車道の現在の終点）近くに農家が営む蕎麦屋さんがあります。てんぷらの野菜や、薬味のネギ、辛味大根など、できるだけ自家栽培のものを使うようにしているそうです。 

　無垢材の欅のテーブルの上に野の花が活けてあり、外からミンミンゼミの鳴き声が聞こえてきました。庭の奥にはシイタケのホダ木が組まれていました。 

　冷たいお蕎麦は、すべて石臼挽き自家製粉の十割蕎麦です。常陸秋蕎麦（茨城県古川市森ファーム産と栃木県益子氏鈴木幸一氏産）、信濃一号（長野県佐久平八ヶ岳山麓組合産）を使っているとメニューにありました。こだわりの粉を手打ちにして供しているそうです。「もりそば」は丸抜きの全層粉です。

　温かいお蕎麦は十月から四月ごろまでの季節限定になります。 

　メニューの中から、「辛味おろし蕎麦」、「出汁巻きのたまご焼き」、「てんぷら盛合わせ」を注文しました。天ぷらは、きす・海老・なす・さつまいも・青じそがカリッと揚げられていました。蕎麦が来るまで、出汁巻き玉子とともに楽しみました。　

　出されてきた蕎麦は十分ボリュームがあり、大盛を頼む必要はありませんでした。十割蕎麦は予想より、やや硬めでしたが、辛味大根のおろしを麺に絡めておいしくいただきました。つゆは昆布出汁が効いていて、魚出汁とのバランスが絶妙でした。 

　本格的な手打ち蕎麦屋さんが農家であるということは、大きな魅力・強みだと思いました。