美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　古くからの温泉地湯河原で、地元の人や観光客に人気の手打ちそば屋がある。屋号である湯蕎庵（ユキョウアン）は湯河原のそば屋という意味だそうだ。

　そば粉は北海道十勝産のそば粉を使い、二八そばで提供される。店内はテーブル席とお座敷があり、店主さんもスタッフの方達もとても雰囲気が良く、いつ来ても心をほっこりさせてくれる。

　メニューはおなじみのセイロそばや天ざるそば、かけそば、たぬきそばと言った定番の物の他に、期間限定メニューやランチもやっている。今回もいつも注文しているミニ天丼とセイロそばセットを注文した。

　運ばれてきたそばはとてもキラキラしていて、箱根の山から湧き出ている天然水をたっぷり含んでいるせいかとても水々しい。一口目は何もつけずにそのままでいただいた。そばの香りがふわ～っと鼻を抜ける。そばの1本1本は細いのだが、とても弾力があり、噛みしめる度にそばの香りが口の中に広がっていく。
　つゆはダシがしっかりときいていて、そのまま飲んでもしょっぱくなく、そばやそば湯との相性もとても良い。そして、ここの天丼もとても美味しい。天丼の具はえび、いか、なす、ししとう、かぼちゃと具沢山で、コク甘な天丼のつゆが白米との相性抜群で、箸が止まらなくなる。

　お店の雰囲気や店主さん、店員さんの気配りがこのそばに表れていると言っても間違いがない。とても丁寧な仕事をしているのが伝わってくるようなお店だ。大和芋を使ったとろろざるそばも人気だそうで、次回訪問した際はとろろざるそばに挑戦してみたい。