美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

この蕎麦屋さんは神奈川県秦野市が運営している「弘法の里湯」という日帰り温泉の中にあります。実は最初は温泉に入るつもりで出かけたのですが、ちょうど脱衣場から出たところにこのお店がありました。外のメニューをざっと眺めたらそばのほかうどんや丼ものもあるようで正直なところ「どうせ入浴施設内の飲食店だろう」くらいのつもりで店に入りました。店内はテーブル席のほか、小あがり席には囲炉裏が切ってありなかなかいい雰囲気です。

あらためてメニューを良く見るとそばは「純手打ちそば（720円から）」とそうでない「おそば（570円から）」があります。私はもちろん「純手打ちせいろ」を注文しました（私は初めて行く蕎麦屋さんはせいろと決めています）。

前置きが長くなりましたが肝心のおそばの感想です。

第一印象は「少し硬いかな？」というものでしたが箸を進めていくうちにちょうど良い歯ごたえとなり食べ終わるまで「へたらない」硬さです。1.2mm程度の細打ちなのでこのくらいでちょうど良いあんばいなのでしょう。したがっておのずとしっかり噛む必要があります。このそばは噛めば噛むほど甘みが沸きます。量もしっかりとあり食べ応えがあります。汁は最初やや薄めかなと思いましたがこれは個人の好みが分かれるところ。本かつおの出汁も効いており、たっぷりと浸けて食べる方にはちょうど良いでしょう。店員さんたちの対応もこの手の店には珍しく？さわやかで気持ちが良いものでした。ちょうど良いタイミングでそば湯が出てくるころには、当初の失礼な先入観をおおいに反省することしかりでした。

温泉施設なので600円から1000円の入浴料がかかりますが入らない人は蕎麦屋さんだけの入り口もあります。でもどうせなら湯上りに冷たいおそばを手繰ってみるのもいいですね。なお、この温泉施設は休日はたいへん混雑するようです。平日がお勧めです。　訪問日　2012年11月6日

 【写真の説明】
①純手打ちそば　　盛りもしっかり。　
②小あがり席には囲炉裏が。店内をもう少し暗くすると雰囲気出るかも。