美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　土佐久礼から特急で１駅、窪川にある八笑人さん。駅からあるいて７分程度です。お店はカウンター含め、１０～１４人程しか入れないと思います。小さなお店。

　メニューもシンプル。そばがきはありますが他の肴はありませんし、そば前（日本酒）も残念ながら地元銘柄ではありませんでした。 

　山形のくどき上手を頼みますと、ほどよい甘さの蕎麦味噌と供されました。うわ～大葉がつくっていいですね！大葉の香りとくどき上手がとてもよく、そばの実も香ばしい味噌でご機嫌。 

　伺った日だけなのかいつもなのか分かりませんが、お店はご主人お一人でやっていらっしゃいました。蕎麦を茹でるのも天ぷら揚げるのも、大根おろしおろすのも、会計するのもご主人一人なので出てくるまで２０分程待ちます。 

　常陸産と福井産のブレンドというお蕎麦は、食べる前から見た目で震えが来るのですが、運ばれてくる途中から蕎麦の香りが漂い、震えが来ます。 

　星が入り、縁が透明できらきら輝くうぐいす色。香りは複雑です。ナッツの香ばしさ、黄な粉、すがすがしさの杉やぴりっと山葵のニュアンスもあり、余韻が長くかみごたえのある甘み。ぷりぷりした歯ごたえは刺身であり、ジビエであります。水切れがよく、びしっとし、ああ、高知なので水も美味しい。

　蕎麦を打つのが大好き、食べるのも大好き、それがひしひしと伝わってくる、心震える蕎麦でした。蕎麦といえば鴨ですが、ですが、ジビエの鹿と猪とか、高知と言えばの七面鳥とか土佐じろーとか、そのあたりの出汁と合わせるとかしていただきたい！

　蕎麦湯は溶いてつくっていらっしゃる音がし、ポタージュ系。蕎麦粉の良さを感じるおいしさで、めんつゆも鰹県ですから抜群の鰹出汁の美味しさ。 

　特急の乗っても食べたい蕎麦がある、特急飛び乗り、走っていってよかった！高知に着たら絶対またうかがいたい、そんなお店との出会いでした。