有喜屋さんの四条烏丸店にお邪魔しました。京都産業会館地下1Fにあり、地下鉄の駅から歩いてすぐです。ちょうどお昼時でしたので、数組の方が店内入口付近に待って見えました。ウェイティングボードに氏名を記入し、店頭のガラスケースの緻密でリアルな食品サンプルに見入りつつ、次第に増してくる期待と空腹感の中、待つ事しばし。とりわけ美しく花の咲いた天ぷらそばのそれは、圧倒的な存在感を放っており、一口頬張った時のサクッとした感覚、その余韻を残しつつ手繰るそばの爽快さなどが思い浮かべられ、口元がついほころんでしまいます。
店内は、全て椅子席で、カウンター席とテーブル席があります。カウンター席には目の前に天ぷら鍋が据え付けられていて、夜には職人さんの揚げたてを楽しめる天ぷらコースもあるようです。
店内に案内された私は、すっかり天ぷらの口に。減量中なのも忘れ、奮発して極上天ざる¥1850をお願いしました。
大きな海老1本に、茄子とししとうが付いていました。おそばは石臼引きの二八手打ちそばで、細くてとても綺麗です。みずみずしく、細引きで星の散りのないそばは、食す前からすっきりとした喉越しとさわやかな余韻を想像させてくれます。そのまま手繰ると、果たしてその通りでした。香りはやや控えめながら、その爽快感が天ぷらによく合い、大変バランスのとれた美味しいおそばです。そしてこのおそばは、こちらのお店の特徴的な甘めのつゆと合せると、癖になりそうな、素敵な調和を奏でるように思われます。風味豊かな出汁の中に溶け込んでいた甘みが、口の中に入った途端にぶわっと広がり、細めのすきっとした二八そばを、有喜屋さん「ならでは」の形で鮮やかにエスコートしているように感じました。
「有喜屋さんならでは」にすっかりやられた私は、お品書きの中にある全国で唯一のオリジナルメニューという欄に心惹かれ、どうしても食べたくなった有喜そば(冷)¥950を追加でお願いしました。納豆と生卵を混ぜ合わしたぶっかけそばで、納豆には京都紫竹のものを、卵には最高級QC鶏卵が使用されているとのことです。
メレンゲのようにふわふわに泡立てられた中に、納豆が散っていて、これらを甘めの出汁とともに、細くすっきりしたのど越しのおそばと食すと、口のなかが幸福感に満たされました。この融合は、見事でした。
伝統に裏打ちされた確かなもの、老舗の創作そばの味は忘れられないものとなりました。
いつか、カウンター天ぷらコースも楽しみたいです。
店名 | 有喜屋 四条烏丸店 |
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電話番号 | 075-213-2978 |
住所 | 京都市下京区四条烏丸西入ル南側 京都産業会館B1F |
アクセス | 阪急電鉄「四条烏丸」駅 徒歩1分 烏丸線「四条烏丸」駅 徒歩1分 |
営業時間 | 午前11:30~午後3:00 午後 5:00~午後8:30 |
定休日 | 日曜日 |
平均的な予算(昼) | 1000円~2000円 |
平均的な予算(夜) | 1000円~3000円 |
予約 | 可 |
クレジットカード | 不可 |
個室 | 無 |
席数 | 46席 |
駐車場 | 無 |
禁煙 | 時間帯禁煙 |
アルコール | 有 |
ホームページ | http://www.ukiya.co.jp/tenpo_sozai/sijyoukarasuma.htm |