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今回お邪魔させていただいたのは、奈良県と京都府の県境にある加茂町浄瑠璃寺門前の『吉祥庵』さんです。

築150年の古民家をこの場所に移築したのは、約40年前だそうです。浄瑠璃寺の向かい側で、階段を上がった所に見事に自然と調和するようにひっそりと佇んでいます。

ガラス戸をあけ中に入ると、石の土間の上に6人掛けのテーブルと、2人掛けのテーブルが並んであります。

その奥に、茶室として使われていた6畳程の個室があります。

にじり口も開けてあり淡い光の中で幻想的な空間がそこにひろがります。2人掛けのテーブルに案内され、メニューを見ると実にシンプルで、せいろ蕎麦、おろし蕎麦、小海老のかき揚げ、葛きり、にしんの甘露煮、お酒以上です。

せいろ蕎麦を頂きます。ほどなく四角いせいろの器に盛られた白いお蕎麦が運ばれてきました。切り揃えも完璧でかなりの細切りです。つゆは、だしが良くきいた辛口のつゆです。

薬味には、ねぎと山葵がついてきました。半分程を、そのままで食べてみましたが、十分に香り、味、楽しめました。残りは、つゆにつけて頂きましたが、こちらの相性も完璧です。蕎麦湯は、あっさりタイプです。蕎麦粉は、北海道の空知産を使用されている様です。

こちらのご主人は、陶芸や象牙細工などもされる様で、お店全体にさりげないこだわりを感じさせる雰囲気を醸しだされています。

お腹も気持ちも、満足させて頂きました。