美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

人通りの多い三条通りの柳馬場を北に上がったところにある定食屋。これまで何度か魚の定食等を食べましたが、どれもとても美味しく頂きました。味は家庭の味、量はたっぷりです。観光客はほぼいない感じで、地元の人がごはんを食べに行くところといったところです。値段と味を考慮してもまさに穴場、しかし、ここのお蕎麦は個性的でとてもおいしいです。

蕎麦がメインではありませんが、このお店のお蕎麦は味、風味に関してはかなり高いレベルです。

メニューには手打ちと機械打ちのそばがあります。手打ちしか食べたことはありませんが、ここの手打ち蕎麦はややごわごわした風合いの荒挽きで田舎風の蕎麦です。二八、十割ともに、食感、風味がよく、近辺ではあまり見かけないタイプの蕎麦でした。蕎麦だけ食べると口の中に香りが広がり、また荒挽きならではの食感も魅力です。時期によって蕎麦の産地を変えているのか、以前は滋賀県産のお蕎麦でしたが、今は信州産の新蕎麦となっていました。ボリュームがたっぷりなところもうれしいところです。蕎麦湯は荒挽きの粉でもまじっているような気もしましたが、とろとろで美味しいです。

蕎麦湯を運んでくるタイミングがやや早いのですが、まぁ許容範囲です。木製の湯桶もあまり見かけないものですが、こんな些細なことでもお店のイメージも良くなるのはおもしろいです。

京都市内には古い町屋を改装し、いい空間、雰囲気を作ることに力を入れているお料理屋さんは多いです。それなりの雰囲気を楽しむにはいいですが、「わたつね」はまさに地元の定食屋でまったく気取った感じはありません。しかし、数十種類はあろうかといった定食の数々、味、ボリューム、そして

しっかりした手打ち蕎麦、値段も安くて私は大好きなお店です。

【写真の説明】

1. 二八そば
2. 湯桶
3. 店外写真