携帯の電波も不安定な山間部で、古民家を改装して営業されている隠れ家的なお店です。平日の夕方ということもあって、先客はおられませんでした。駐車場は止めやすく、お店は気取らない外観で、店内も田舎の祖父母の家に遊びにきたような懐かしさがあります。
勘違いから、とんでもない県道に入りこんでようやく辿り着いたので、安堵とともに急な空腹を覚え、色々とお願いしました。
二八ざるそば付きの天丼セット、田舎そば、天そば、そばビール、どて煮
どて煮をつまみながら、そばビールを頂いているとほどなく二八ざるそば付きの天丼セットが運ばれてきました。
おそばは、細引きであると思われます。いわゆる「ほし」はほとんどみられませんでした。色はやや褐色がかっており、切り幅は程良くランダムです。まずは、おそばだけをひとくち。香り食感ともに控え目ですが、後からほのかに甘さを感じました。汁は、くちもとに近づけるいやいなや、ぶわっと出汁の香りにつつまれ、口に含んでみるとさらっとした辛さの後に濃厚な甘みが続きました。おそばをどっぷり付けて食べても辛すぎることなく、出汁の香りと相俟って楽しめました。
続いての田舎そばは、粗引きそばをお願いした際に、ないとのことでしたので代わりに注文したおそばでした。こちらは、先に食した二八そばに比べると明らかに色が黒っぽく、切り幅もさらにワイルドでした。香りと甘みは二八とそれほど差異を感じませんでしたが、切り幅のおかげかコシが増し、食感を楽しめました。こちらも、上記のつゆとあわせて甘みと出汁の香りとの調和を楽しめました。
最後の天そばは、温かいかけのおそばに、天ぷらが別皿で付きます。色の薄めの関西風のつゆで、やはり出汁の香りが良く、そばも細引きの二八そばなので、つるつると最後まで美味しく頂けました。
帰りがけに、粗引きそばがなかったことについて、ご主人がわざわざお詫びに来て下さいました。新そばがでる直前の今の時期、ひねたそばで粗引きは打ちにくく、また打ちたくないとも仰っていました。本当は、今の時期店を閉めていたいぐらいだよと笑っておられたのが印象的でした。手が空いておられたのか、「食」に対する想いを滔々と語って下さいました。出汁のことをお伺いした際には、鰹節のほかに鯖節、ムロアジをお使いになるとのことでした。かえしは2~3ヵ月寝かされるそうです。出汁の香りの良さをお伝えしたときには、一瞬意外そうな表情をされたのですが、「今日あわせたばかりだからかな」と仰っていました。奥様も、ニコニコと温かい笑顔のたえない方でした。お腹も心も満たされて帰途につきました。
【写真の説明】
店内、メニュー表、おつまみとそばビール、一番人気の天丼セット¥1000、
天丼セットの二八そばのアップ、田舎そば、田舎そばのアップ、天そば、蕎麦湯
店名 | 空木 |
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電話番号 | 0595-54-1070 |
住所 | 三重県伊賀市諸木607 |
アクセス | 近鉄大阪線青山町駅から伊賀市行政バスで20分諸木バス停 (ただし本数は少なく、事実上公共交通機関なし) |
営業時間 | 11:00~19:00 |
定休日 | 金曜日 第3木曜日 |
平均的な予算(昼) | 1000円 |
平均的な予算(夜) | 1000円 |
予約 | 可 |
クレジットカード | 不可 |
個室 | 無 |
席数 | 26席 |
駐車場 | 有 |
禁煙 | 禁煙 |
アルコール | 有 そばビール有り |
ホームページ | 無 |