美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

かつては、江戸に運ばれたソバの大生産地であった長野県南佐久郡川上村も、戦後はレタスなど高原野菜の大産地となり、ソバなどは自家用以外には生産されていないと思い込んでいましたが、かつてこの村に嫁いだ奥さんの慶子さんが蕎麦打ちの上手なおばあさんに教わり、やがて子育てを終えて生き甲斐として蕎麦打ちを始めました。

そしてついに「川上そば　善慶庵」という蕎麦屋さんを始めました。蕎麦打ちは奥さんの慶子さん、ソバや野菜の生産はご主人の善一さんが担当され、それでお店の名前が「善慶庵」なりました。ご主人が70aの畑で収穫されたソバだけでは足りず、同じ川上村の中で栽培された玄ソバを確保し、村内の製粉所で製粉したそば粉だけで蕎麦を打っています。

ちなみに、メニューは十割蕎麦の「もりそば（並）」、「もりそば（大）」の２種類だけ。あとはお酒とビールだけというそっけなさで、選択の余地は「並」か「大」かしかありません。

ただし、蕎麦羊羹、煮物、漬物、柔らかくて甘いレタスのサラダなど季節のものがサービスで出され、待っている間も楽しく過ごせます。

十割蕎麦だけに甘皮まで挽きこまれた微粉をきっちりこねた蕎麦で、コシ、喉越しは良いです。風味は啜るより噛んで感じるタイプです。

【写真の説明】

川上そば　善慶庵　店舗正面

お茶とともに

シンプル極まりないメニュー４種。

もり蕎麦（大）......うう、大根おろしがないんです（泣）。

もり蕎麦のズームアップです。