初夏、蕎麦屋が多い信州上田市の中でも、美味しいと評判のくろつぼさんにお伺いしてきました。国道18号から脇道に入り、急な坂道を登ったところに、全体を黒に統一された古民家風のお店がありました。少しわかりづらいので隠れ家のような雰囲気です。玄関の上にはアケビの蔦が気持ちの良い木陰を作ってくれています。引き戸を開けると、女性スタッフが、気持ちよく、いらっしゃいませと声をかけてくれました。
店内も統一感のある作りで、照明も抑え気味で隠れ家という評判通りの雰囲気です。カウンターが3席空いていましたが、蕎麦の味をあじわいたかったので、「1人ですがテーブル席でも良いですか」と聞くと4人がけのテーブルを勧めてくれました。
先ほどのスタッフにおすすめを聞くと「粗挽き田舎そば870円 数量限定少し黒目の野趣なそば」と「もりそば 720円 二八そば」を教えてくれました。他にも鴨汁そば、天せいろ、くるみそばなどもあります。
まずは「もりそば」をいただきました。
まずは細めに切られた麺を蕎麦つゆをつけずにすすります。長さは10センチくらい、ちょうどすするにいい長さです。程よいやわらかさで口の中で自然とほぐれます。空気を含み、蕎麦の香りが口の中に広がりました。弾力もあり蕎麦のでんぷん質を感じます。おそらくつなぎはほとんど使っていないのでしょう。
蕎麦つゆを口に含みました。だしのしっかり取れたすっきりした蕎麦つゆです。程よい甘さ、蕎麦とのバランスも良く大変満足です。
一般的に田舎蕎麦というのは蕎麦の実の外皮に違い、食物繊維の部分を使った蕎麦を提供する蕎麦屋さんが多いです。食感が劣り美味しくないことが多いので、はじめてのお店で食べる時は緊張します。
まず驚いたのは、その甘さです。蕎麦の甘さが口の中に広がります。蕎麦つゆをつけずに食べすすめます。先ほどの「もりそば」と同じで程よいやわらかさです。田舎そばにもかかわらず噛んでも歯切れよく、甘さが出てきます。蕎麦のえぐみや蕎麦殻の味もありません。店主の蕎麦の実への丁寧な処理がわかります。石臼粗挽きということで、少し太めの蕎麦の表面に凸凹があり、蕎麦の風味を一層高めます。夏に差し掛かった蕎麦の端境期にもかかわらず、蕎麦の色は黒目の中にほのかなグリーンが確認できます。おいしい。
玄蕎麦を全国から良いものを買い付け、毎日、自家製粉をされているという店主のこだわりが蕎麦には現れていました。またお店の内装や器までセンスよく、蕎麦をおいしく頂ける環境に配慮している気遣いも感じました。
客層もビジネスマンから家族連れ、女性1人客まで幅広く、受け入れてくれる雰囲気があります。夜は蕎麦味噌や合鴨の塩焼き、地酒も揃い、ゆっくりとそば前を楽しむ隠れ家として利用したいです。
ごちそうさまでした。
店名 | そば処くろつぼ |
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電話番号 | 0268?29?6767 |
住所 | 長野県上田市国分565-8 |
アクセス | 電車 しなの鉄道 信濃国分寺駅 徒歩7分 |
営業時間 | 昼11:30~15:00 夜17:30~20:00 日曜日は17時までの通し営業 |
定休日 | 月曜日 祝日の場合翌日 |
平均的な予算(昼) | 1000円 |
平均的な予算(夜) | 3000円 |
予約 | 可 |
クレジットカード | 不可 |
個室 | 有 |
席数 | 20席 |
駐車場 | 有 |
禁煙 | 禁煙 |
アルコール | 有 |
ホームページ | http://www.dia.janis.or.jp/~naotaro/index.html |