美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

処暑、まだ暑さが残るお盆過ぎに、信州上田のそば処いちやさんにお伺いしてきました。

 こちらのお店は地元の方もほとんど知られていないお店ですが、店主の牧野さんのやさしい蕎麦を求めて常連さんが通っているお店です。

 上信越道上田菅平ICより上田市街方面に長島の信号を右、サークルKのある交差点を右、最初の脇道を右、最初の脇道を左に行くと、左にあります。民家を改装したお店で、看板も大きくはないので、初めて訪れた時には少し迷いましたが、発見できたとき達成感を感じました。

 午前11時30分、お店の入口には打ち水がしてあり、涼しさを感じます。店内も店主のセンスの良さや清潔感が現れています。日あたりの良い縁側から心地よい風が風鈴の音と共に夏の終わりを感じさせます。

 ざるそば800円を頼みました。

細めに切り揃えられた蕎麦は店主の繊細な作業を感じます。

食べる前に蕎麦の香りを確かめると、8月という端境期にもかかわらず、確かな蕎麦の香りがします。食感は程よい柔らかめ、空気を入れながらズッズッと食べると、蕎麦の香りが口の中いっぱいに広がります。あまりに美味しいので、ほとんどそばつゆをつけずに食べてしまいました。

 もう1枚、ざるそば800円をおかわりしました。

そばつゆと薬味の代わりに、裏の畑で栽培したモロヘイヤを茹でたものをサービスで出していただきました。そばつゆの中に入れると、粘りがでて、蕎麦の食感を増してくれます。そのままそばつゆに付けて食べても大変おいしいものでした。そばつゆは辛口でも甘口でもなく中間、さらっとしていて蕎麦同様、やさしいそばつゆです

 少し時間がありましたので店主の牧野さんとお話ができました。

蕎麦は長野県浅間山麓産の石臼挽き蕎麦粉を使って、二八で打っているそうです。蕎麦打ちの他にも陶芸、日本酒の米作り、バイクのツーリングなど多彩な趣味をお持ちのようでした。

 夜は予約の宴会を受けているそうです。

お一人で全てやられているので昼間にお客様が重なると少しお時間がかかることもあるようですが、ゆっくりと本物の蕎麦の味を堪能できるおすすめの蕎麦屋さんです。少人数で行くのが良さそうです。

 ごちそうさまでした。

 訪問日　2013年8月26日