大分県 豊後高田市 中央商店街の昭和の風情漂う街並みを散策していると、いつの間にか桂橋を越えて古い町並みを歩いていた。
そこにはそば打ち場が入り口の右側に有るそば屋「ゑつ」の行燈看板が客を招いている。
急に腹の虫が騒ぎ出す。時計を見るともう1時になろうとしている。迷うことなく寄る。
店内はほぼいっぱいだ。カウンター席が3つ連続で空いている。私は両端が空くようにその真ん中に座る。空は後2席。
品書きを確かめ、「せいろそば」を1枚だけ(何か予感がした)お願いする。と同時に玄関の開く音がする。店のスタッフが一斉に入口の方を向き「いらっしゃいませ」と発声する。つられて私も其方を向く。
ご夫婦だろう2人が入ってきた。案内に促され席を一つずらす。見事満席となる。
板さんと、手伝い2名の計3名が忙しく働いている。そば屋には珍しい板場がカウンターの向こうという配置なので、店の動きが客から見渡せる。
スタッフの動き、特に板さんの動きも評価の対象となる気の抜けない状況だ。
店内を見渡すと多くのお客に品が出されていない。1テーブル、カウンター4人、奥の個室は見えないが、そこもまだだとしたらそこそこ待たされることを覚悟する。
その待ち時間の分板さんの仕事を拝見できるかと思えばありがたい。こんな機会はめったにない。
板さんの動きに見とれているとスタッフが頼んだものを運んでくれた。その盆に目をやると、そばの色は黒く、若干太い部類。盛り方も特有だ。
一箸ずつ取りやすい通常の盛り方ではなく、うずたかく下から上へ盛り上げている。
汁が気になりまず試してみる。鰹節が良く効いている。なかなかいい味を出している。
うずたかく盛り上げたそばの頂上から2本を箸でつまみ、汁を付けず口へ運ぶ。
そば粉が香る。弾力がある。なかなか食べ応えのある麺だ。洗いが足りないとも感じたがそれほど問題にならない。
汁を付けて食べてみる。江戸そばの粋を評価基準としたものとは異なるものだと感じる。これはこれで美味い。九州のこの地の方々が鍛え完成したそばの形であろうと感じた。
ご馳走様でした。
店名 | 十割蕎麦 ゑつ |
---|---|
電話番号 | 0978-25-4617 |
住所 | 大分県 豊後高田市 玉津 374-1 |
アクセス | JR日豊本線 宇佐駅から車で15分 |
営業時間 | 昼11:00~15:00 夜17:00~20:00 |
定休日 | 毎週火曜日 |
平均的な予算(昼) | 700円~1,500円 |
平均的な予算(夜) | 700円~2,500円 |
予約 | 可 |
クレジットカード | 不可 |
個室 | 有 |
席数 | 4人掛けテーブル×3 カウンター7席 個室4~6名 |
駐車場 | 有 8台 |
禁煙 | 禁煙 |
アルコール | 有 |
ホームページ |