一件蕎麦屋に寄って来たところだ。腹が空いていたのだがせいろ1枚だけ食べて出てきた。美味いそばだったが二枚食べてはいけない予感がした。
少し歩いていると「そば処 響」との案内を見つけ予感の根拠を知った。案内に導かれ店の前へ行くとかつての建物に「そば処 響 生粉打そば・酒」の布看板が私を招く。写真を取ることももどかしく趣のある玄関扉を開け店の中へ入と、思ったより天井が高く奥行きのある広い空間が広がる。既に座卓席は満席だが店員さんの気持ち良い案内でカウンターに座る。
品書きから「ざるそば」を頼むとそれはほどなくして運ばれて来たのだがそば湯も一緒に出されたことに少々戸惑った。そばは若干太めで色は全粒粉から打ったそばを思わせるように黒いものである。
まずはそばつゆの味を味わおうと、徳利のそば汁を少量そば猪口に入れ色と香りを確かめた後に口へ運ぶ。ワインの味を見る時の様に、口に入れた小量の汁を口から吸った空気でなじませる(音がしない様に)と、鰹節の良い香りが鼻孔一杯に広がり深みのある味も感じる。関東の味に近く自分の口に合い安心する。そば猪口がそばを招き入れるために汁を適量足しておく。
そばを2本箸でつまむと重量と弾力を感じる。口に入れ啜ると「うぅん」と思わず唸った。そば粉の香りが口いっぱいに広がったからである。自分が全粒粉から打ったそばに持っている偏見を感じさせないすっきりとしていて心地よい香りである。弾力があり噛み応えのあるそばであり、美味いと心底思い二口三口と続けて食べた。そばつゆを付けることを忘れそうな程である。
つゆを付けて食べると、鰹節の香り、汁の旨味がそばをざるそばと言う料理に仕上げる。わさびを少量そばに載せ口に運ぶと味に変化を与え箸の動きを加速させる。あっという間に完食。先にせいろ一枚を食べていることを差っ引いてもボリュウムを感じるそばであった。量が特別多い訳ではなく、弾力が噛む回数を増やしたことによるものだと考える。
出されていた急須からそばつゆが小量残ったそば猪口へそば湯を注ぎいただくと食事が終了したという安堵感が広がる。
豊後高田のそばは、江戸、信州のものと趣向が異なっていることを理解できて食べると美味い。同じ物指しで測ってはならない・・・
店名 | そば処 響 |
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電話番号 | 0978?22?1066 |
住所 | 大分県 豊後高田市玉津986番地 |
アクセス | JR日豊本線 宇佐駅から車で15分 |
営業時間 | 昼:11:00~15:00 夜:18:00~21:00 |
定休日 | 毎週火曜日(夜は営業) 毎週水曜日 |
平均的な予算(昼) | 800円~1500円 |
平均的な予算(夜) | 800円~2500円 |
予約 | 可 |
クレジットカード | 不可 |
個室 | 有 |
席数 | 4人掛け座卓×3 3人掛け座卓×1 カウンター5席 |
駐車場 | 有 |
禁煙 | 禁煙 |
アルコール | 有 |
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