美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

東大阪の小阪にひっそりと店を構える"そば工房おもか"。そばの幟が出ていなければ、そこにお蕎麦屋さんがあるとは誰も想像しないでしょう。

近づくに連れて見えてくる店看板や暖簾を目にし、営業されているのが分かります。

ちょうど店先に出てきていた店主自らの案内で店内へ。早い時間帯だった事もあり先客はいません。

事前調べによれば《徳島県産の祖谷そば》が食べられるとあり、楽しみにしつつ今回は天ざるそばを注文しました。 

ところが。 今日用意できるお蕎麦は《茨城県産の常陸秋そば》になるとの事。

事前に予約をすれば用意出来るそうなので、残念ですが次の機会に持越しとなりました。

お店は店主が一人で営業されているようで、開店後すぐの静かな店内に天ぷらを揚げる心地よい音が響きます。

話をすればとても気さくな方で、色々な蕎麦の話をして下さり、特に祖谷そばにはかなりの思い入れがあるようで、初めて食べた時のエピソードなどを熱く語ってくれました。 

ちょうど会話が一段落した頃、天ざるそばが運ばれて来ました。　お蕎麦は青みがかった上品な色目で、そば殻などの斑点は一切ありません。

蕎麦本来の自然な甘みと、ほのかな香りを感じる事が出来ます。手打ちにしては麺がやや太めですが、とても綺麗に切り揃えられています。

使用する野菜はすべて無農薬にこだわっており、もちろん天ぷらも例外ではありません。また、お酒も選び抜かれた地酒が豊富に揃っており、蕎麦以外のこだわりも随所に感じられます。 

食後の余韻に浸りながら、今回食べる事が出来なかった《祖谷そば》に想像を巡らせます。

そして、今も昔も変わらず人々を引き付けて離さない、蕎麦の奥深い魅力を、こちらの《そば工房おもか》で、改めて感じる事が出来たような気がしました。