美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

大阪市平野区に店を構える"そば仙人"。大きな看板が目印で、店舗の外には蕎麦などの写真が大きく貼られており、店の外からでもメニューのイメージがしやすく、とても分かり易い。

店内に入ると目の前にはL字型のカウンター、その奥には2人掛けのテーブルが数席、左手に座敷があります。今回はちょうど座敷席が空いていたので、そちらに座らせて頂きました。

何気なく店内を見回すと、店内奥の壁際に沢山のお酒が置かれています。銘柄までは分かりませんが、色や形が異なるたくさんの瓶が並ぶ様は壮観で、夜は居酒屋として営業されているのも納得です。

事前に集めた情報では金、土、日限定で十割そばが食べられるとの事なので、迷わず"鴨汁そば"の十割そばを注文しました(勿論、通常のニ八そばでも注文できます)

お店の方にお伺いした所、蕎麦は鹿児島県霧島の契約農家で栽培されたものを使用し、標高800ｍの高原で有機栽培をされているとの事。また水回しから練りまでの工程を手作業で、その後は製麺機を使用する"半手打ち"です。

まずは長芋のかき揚げ、切り干し大根、冷奴などの小鉢が先に運ばれ、続いて蕎麦が運ばれてきました。想像していたよりも上品な色目で、そば殻の斑点はほんの少しだけ。玄蕎麦挽きではなく、ムキ実を甘皮ごと挽き込んだ綺麗な色目です。強烈な蕎麦の香りとまではいきませんが、鼻を近づけると確かな蕎麦の甘い香りが漂います。まずは鴨汁につけずに一口頂きました。

小麦の食感に邪魔をされない蕎麦本来の食感。小麦の入った蕎麦を食べ慣れた口には、とても新鮮な食感です。蕎麦本来の硬さや粘り、のど越しなどがダイレクトに伝わってきます。

続いて鴨汁に蕎麦を少し浸して頂くと、鴨汁の香ばしい甘辛さと相まって、さらに蕎麦の甘みが引き出されとても美味しい。

蕎麦以外のかき揚げや小鉢なども充実した内容で、お腹も十分満たされます。