美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　ご近所の方が訪れる昔ながらの地域の蕎麦屋さんといった感じ。
　女将さんが優しい声で応対してくれる。テーブルの上に、巻物状のお品書きが置いてある。メニューは少ない。ご飯ものはおいていない。

　今回私は、ざるそば　（税込800円）を注文。「昨日北海道から届いたばかりの新蕎麦なので、よかったら塩で召し上がってみてください」と女将さんが、持ってきた塩をひと匙、蕎麦の横にちょこんと載せてくれた。

　蕎麦は、せいろに盛られ、その上に２ｃｍ角くらいの海苔が6〜７枚ほど載っている。薬味は、大根おろし、青ネギ、わさび。大根おろしはちょっと辛め。ネギは薄く切られており、みずみずしく透き通っている。　　　　　　　
　つゆは徳利に入っていて自分で蕎麦猪口に注ぐ。麺は細い。粒は見られない。柔らかめに仕上がっている。水気が多い。もちろん冷たいのだが、温かさを感じるような味わいの蕎麦だった。
　蕎麦湯は薄めでさらさらだが、蕎麦の風味は感じられる。

　店を出るとき、どのお客様の時にも必ず、奥から店主の「ありがとうございました」という声が聞こえるのは気持ちが良い。

　店の前にたくさんの花が置かれていたので、何のお祝いなのか尋ねてみたら、これまでは、朝から夕方まで通しで店を開けていたが、一旦中休みを入れて息子さんが夜は居酒屋として店を開けることになったそのお祝いなのだという。よかったら来てくださいと、メニューを見せてもらった。夜は、蕎麦メニューは少しだけ。うちからは少し離れているので夜お邪魔することはないと思うが、流行ればいいな、と思う。