仕事の都合で埼玉県深谷市を訪れた。うまい蕎麦屋の評判を聞き早速訪れる機会を得て、暖簾をくぐる。
場所はイトーヨーカ堂も入るアリオ深谷ショッピングモールの裏手にあるマンションの1階で営業する「そば切りとも吉」である。
店のオープンは2014年3月、比較的まだ新しい手打ちの蕎麦屋である。 主人に聞けば、以前は永きにわたり大手飲食チェーン店の店長を経験して、「そば切りとも吉」を奥様とオープンとのこと。
使用するそば粉は北海道産の国内粉で、食器は地元の陶芸作家による織部焼きをメインオーダーし、お店の器として使っている。開店に際し、どうせやるなら手打ち蕎麦はもちろん、食器にもこだわりを持ちたかったとのこと。
場所柄、昼間のお客様の90%は女性客、近隣の奥様と子連れでの来店がほとんどです。主婦の舌は厳しい。そこからも蕎麦の味と価格には既に折り紙付きである。
早速メニュータイトルの上位にある天せいろを注文する。お通しのあと、先に天ぷらが運ばれ天つゆの他に、お塩でもどうぞと奥様が、塩つぼも添えてくださった。早速、海老をいただくと揚げ方が絶妙である。外の薄衣はカリッと口に当たりその後、ミディアムな感じのエビのプリプリ感が実に良い。
やや細めのセイロそばは、新そば出はじめの時期と相まって、ほのかに香るそば粉の香りと、それと同じくらいの甘味が口に拡がった。
ご主人は大手外食チェーンで鍛えた天ぷらに少しだけ自信がありますと、謙遜しながらの笑顔は自信の腕前が見え隠れする。さすがにフライヤーは使わない。長年天ぷら鍋での鍛えた腕前である。
地元作家の織部焼きのそばの盛りつけ皿は、実に品がよく、そばの最後の一本まで楽しくいただける。今のメニューを一人でこなすにはこの17席が限界ですと、手抜きができない蕎麦づくりと一品料理への丁寧さの気持ちがよく伺える。
長く蕎麦屋をやりたいので、体調にも無理のないように、いろいろな工夫や調整をしながら毎日蕎麦づくりに取り組んでいますと言いながらも、夜は9時まで頑張っている。ときには常連さんのお相手に10時を回ることもしばしばとのこと。この店をオープンするにあたり経験した薀蓄はひと月あっても話しきれないほどありますと、大手外食チェーンからの独立も、この一言からその意欲が感じられる。
ここ、とも吉店主の人間的な優しさのなかにも、蕎麦屋にかけるプライドがメニューにも現れています。 次回は、甘さの増した頃の深谷ねぎの天ぷらを注文してみようと思う。
店名 | 蕎麦きり とも吉(深谷市) |
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電話番号 | 048―577?3432 |
住所 | 埼玉県深谷市上柴町西4-10-1 |
アクセス | アリオ深谷 裏 |
営業時間 | 11:00~15:00、17:00~21:00 |
定休日 | 火曜日 |
平均的な予算(昼) | 1000円 |
平均的な予算(夜) | 1800円 |
予約 | 不要 |
クレジットカード | 不可 |
個室 | なし |
席数 | 17席 |
駐車場 | 店前5台 |
禁煙 | 禁煙 |
アルコール | 有り |
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