美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　今日明日と、那須温泉に一泊の旅行。両日ともに蕎麦が楽しみです。まずはネットで見ていて気になった店に訪問。大きな看板が少しばかり目立つ外観には、良い意味で裏切られることとなる店内へと。老舗蕎麦屋のそれとは大分違う店内。どちらかと言えば気軽に入れるラーメン屋さん的雰囲気。明るく愛想のいい店員さんに通されたのは唯一の四人掛けテーブルで、ガラスに面した明るい席です。

　注文は、二八のせいろそばと、つなぎ一の挽きぐるみ田舎そば、それに、かけと天ぷらの盛合せ。ちなみに田舎そばと週替わりで、十割そばが提供されるそうです。こちらの田舎そばはよくある 太打ちではなく、せいろそばと同等の太さに打たれています。入口の脇に、蕎麦粉は音威子府産とありました。

　では、まずせいろからひと口。滑らかな舌触りとほのかな香りを残して、喉を通り過ぎていきます。今度は、喉に意識を集中してひと口。滑らかです。色味は薄目で、殆ど星もなく、蕎麦きりの揃った形が好印象です。

　次に田舎そばを箸でひと摑み。そっと持ち上げると、おっと思うほど張りがあります。これはどうかなと、ひと口。芳しいそばの香りが広がります。おやおや、こんな所で良い物に出会えるとは。只々硬めに茹で上がったのではなく、期待以上の歯応えを堪能しました。

　つけつゆは平均よりちょっと辛めで、つゆだけを口にすると、その向うに鰹節が浮かんでくる感じです。今度はつゆにつけて頂きます。中々の相性で楽しませてくれます。薬味の山葵も上々でした。因みにこちらでは、せいろ、田舎共に140ｇを目安に盛り付けているとのことでした。

　お店の御好意でかけそば一人前を、当日同行した、家内と娘と私のものに盛り分けていただき感謝です。かけつゆの色味は薄い部類で、味も透明感があり良いものでした。かけつゆの中のそばは、つゆを含んでふっくらとなり、また違った表情を見せ、美味しくいただきました。小さな器のなかで、柚子の香りが際立っていました。
　ランチタイムには、先着順で無料の小さな炊き込みご飯とデザートが付くそうで、満足出来た食事でした。
　外観からは少し意外にも、本格派のお蕎麦を楽しめるお店としてお薦めです。