美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　本家の上野藪が大好きで、そこで店主が修行したというので、ぜひ行ってみたい店であった。

　子供夫婦と４人で、13時頃なら空き始めるだろうと行ったが、4人席が空いていなくてしばらく待つことになった。
　店の周りをウロウロすると、裏に2坪程度の打ち場があり、電動石臼、木鉢、延し板、切り板、打棒、包丁などが整然と並んでいる。ここから美味しいお蕎麦が出てくるのかとジロジロと覗き込んでしまった。

　花番さんから声がかかり、２人テーブルとカウンター席２人が空いたとのことなので、入って行き、座ろうとすると、先客の4人テーブルにいた御夫婦が席を譲ってくれて、２人テーブルに移って戴いた。嬉しい御好意で、益々お蕎麦が美味しくなると期待しました。店内は明るく、大きな窓から見える木々が気持ち良い。

　メニューを見て、あれもこれもと目が食べたくなったが、玉子焼き、そばがき、鴨せいろう、天せいろうを注文。花番さんが料理の順序を確認するところはさすがです。

　玉子焼きは4切れ、大葉の上にのっている。大概、おろしが少なく、取り合いになるけど、ここでは小皿に大目に出てきてうれしい。出汁が利いている。
　そばがきは、湯豆腐のように土鍋で出てきた。そばがきが4つ、しいたけ、葱、水菜がお湯の中に、小皿に薬味のほぐされた葱と山葵。小鉢にはながつお、汁を入れて、アツアツ、はふはふ。
　山葵だけや汁と薬味といろいろと楽しめます。上野藪のそばがきは、釜揚げうどんのように湯の中に入っているが、このような食べ方もいいですね。
　そばがきは、ふわふわだったり、超粗挽きで餅のようだったり、店によっていろいろな形で出てくるので、写真のないメニューの場合は、出てくるまでもひとつの楽しみになります。

　さあ次はお蕎麦です。まずは鴨せいろう。そばは、大きめの横長の皿に簾をしいて二盛りになっていて、少し多目かな。一箸ずつ摘めるようにほぐされています。角が立っていて、腰があり、喉ごしよし。鴨汁は、鴨肉の臭味がなく、本家の汁より少し甘めか。デザートにメロンが付いている。

　天せいろの天ぷらは、海老、帆立、キス、茄子、明日葉、ゴボウ、カボチャで、サクサクです。