美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

甚五郎さんの蕎麦は、すすった時に鼻に抜ける「いい蕎麦の香り」がします。真夏になるとしっかり冷水でしめて香りが感じられない時がありますが、松郷庵甚五郎さんのお蕎麦は、冷水の温度が丁度よくて期待通りの蕎麦の香りが感じられました。また、冷水でしめ過ぎないということで、蕎麦本来の粘り（奥歯に少し張り付くけど蕎麦の甘みを感じるいい粘り）とやさしい弾力（うどんと違う、注意しないと感じられないやさしい反発）を感じることができました。

食べ終わるまで、蕎麦の水々しさが保たれているので、蕎麦同がくっついてしまうことなくのど越しで食べられました。蕎麦の最後の工程である「冷水でしめる」は、どんなに良い蕎麦を打っても、この冷水の温度としめる時間で良くも悪くも全く違う蕎麦になってしまうのではないかと思った。そんな発見をして、最後の蕎麦湯を美味しくいただきました。

 【写真の説明】松郷庵甚五郎さんの北海道産の蕎麦を使用した「九割蕎麦」です。蕎麦のいい香りと、少し黄緑がかった麺線が印象的な蕎麦です。