美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　ある朝突然。　早起きついでにテレビ朝日をつけると「日本！　食紀行」という番組で、蕎麦屋の放映をしていた。　村おこし？　以前より小耳に挟んでいた『横田の小そば』を食べさすお店の紹介でもあった。

　ちょっと興奮気味に番組を見て、これは、食べに行かねば！　と、３月某日島根は奥出雲まで家内と出かけた。島根は松江からでも奥出雲は深い。こんなとこだからおいしいお蕎麦もできるのだろうな、などと話しながら。

　朝早めに到着・・まだ開店前だが何台かもう入店待ちの車が止まっている。神社の入口にある蕎麦処である。期待を持ちながら開店一番客で入らせてもらう。　何を頼んでよいかわからず、とりあえず　「割りこ蕎麦」と暖かい「とろろそば」をお願いする。　メニュー表をみていて・・「あっ、小そばは別にある。」と気が付き、お店の方に「横田の小そばを食べに来たので・・」と言うと、心安く（もう前に頼んだ品が出来上がっているのに・・）変更してくれた。（奥出雲までわざわざ来た価値があった。）

　出てきた、割りこ蕎麦が、横田の小そばで打ったお蕎麦。ちょっと色が濃い目で美味しそうだ。　まずは、何もつけずにそのままいただく。そばの香りが噛むとふわっと口に広がる。のど越し良くとはいかないが、細打ちで旨い。後は、割りこ蕎麦の薬味でいただき、外の景色とお蕎麦のハーモニーが、良くあっている。
　もうひとつの、暖かいとろろそばは、蕎麦を湯がいてそのまま器に出汁入りで盛られた、釜揚げ風で蕎麦の香りも残っている温蕎麦。なかなかいけます。
　いずれも、今まで食した蕎麦とは違って、これもこの地域だからこそのお蕎麦が食べれて、わざわざ来てよかった。在来種、幻の横田の小そば、末永く永続させてもらいたいものです。