美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　縁結びの神様として知られる大国主大神（おおくにぬしのおおかみ）をまつる出雲大社は、平成26年に60年ぶりとなる「平成の大遷宮」が行なわれており、どこも大賑わいでした。

旧大社駅は、明治45年（1912）に国鉄大社駅の開通により開業され、大正13年（1924）2月に新たに改築された後、平成2年（1990）3月31日にJR大社線が廃止されるまで使用されていた駅舎です。建物は、出雲大社の門前町にふさわしい、純日本風の木造平屋建てで、国の重要文化財に指定されています。

この旧大社駅の前に「大梶」という蕎麦屋があります。普通のなんの変哲もない蕎麦屋ですが、山陰の小魚などで取ったと思われるやや甘口のつゆを割子でいただく蕎麦は、昔ながらの出雲の蕎麦と云っても過言ではないと思っています。

ここ数年で、出雲大社の前やら、周辺に蕎麦屋が急激に増加し、おそらく100軒近くあるのではと思われるほどです。

島根県の蕎麦の生産は南部の広島県や鳥取県との堺に近い山間部が主体で、非常に良質なソバを生産しています。ただ、生産量が少なく、新規開店の蕎麦屋さんは相当苦労しないと手に入らないと思います。この店のソバは、地元で生産されたそば粉を昔から使用しているとのことです。

また、だしも小魚を使うと、一定の味を保つのが非常に難しく、「大梶」では何を使っているのか教えてはいただけませんが、特別な特徴を出すこともなく、毎日でも食べれる味に仕上げています。