昼時を少し回った頃に、あさ乃に着き、店裏の駐車場に車を止めると表駐車場は既に先客で車はいっぱいであった。
表通りに面した蕎麦打ち場をのぞきながら、大きなおかめの暖簾をくぐり店に入ると、ちょうど先代の主人が、揚場で天ぷらを上げていたせいか、いいごま油の香りが店中を漂い、実に食欲をそそる出迎えをしてくれた。柱には、竹本油脂の「謹製の本ごま油」の掛看板が掲げられている。
カウンター席に着きメニュー表を通されると、そこには手打ちそばの打ち方解説が紹介されており、品書きを見ながら、フームと頷く。
せいろにするか田舎蕎麦にするかで悩んだ結果、まずは、せいろ蕎麦を1枚注文し、さらにメニューをじっくり見ると天ぷらを単品で注文できることに気がつき、桜えびのかき揚げと、かぼちゃ、レンコン、小エビの天ぷらを別注文する。
せいろ蕎麦は、北海道幌加内産のそば粉での二八そば。やや太めの田舎蕎麦は九一で仕上げたそば香る一品。話を聞くうちに、先にそばつゆと天つゆが用意され、続いて、大きな生わさびが、おろしがねと一緒に運ばれてきて、ムムと驚く。自分で好きなだけすりおろし、自分流に楽しむことができるわけだ。わさび好きにはたまらない。
二八のせいろ蕎麦が運ばれてきた、やや角が立ち、つやのあるそばをたぐり、そのまま食べてみると口の中でほのかに香るそばと、ざらつきながらもつやのあるのど越しに箸がすすむ、カウンターに置かれた塩の小瓶から一つまみ蕎麦にのせ食べてみると、塩気の裏側から、蕎麦のあまみと香りが引き立ち、気が付くとそれだけで、せいろ一枚は完食。
続いて、田舎蕎麦を追加し、その間に運ばれてきたてんぷらを楽しむ。一品が2個づつ揚げられており、衣は家庭的に見えたが、桜エビのてんぷらには細切りの人参とのかき揚げ風になっており、歯触りと甘味が海老に意外と合い、他のてんぷらも食べごたえがあり満足。
「おまちどうさまー」と田舎蕎麦が運ばれてきた。確かにやや太めひきぐるみ感のあるそばの味は、さすがに二八にくらべ強めのそばの味が、噛めば噛むほど味わえる。先に二八にしておいてよかったとおもえるほど田舎蕎麦の味は強い。そばつゆをつけると、かつおだしとそばが交わり、予想どうりのコンビネーションで、さらにすりおろした生わさびは爽やかなツンとくる刺激とみどりの甘味があとをひき完食。と同時に「そばゆでーす」と湯桶が置かれ、とろとろの蕎麦湯も楽しんだ。
よし乃は地元地域の常連さんが多く来店されており、常連さんならではの店主との会話を聞きながら、気配りの上手な店主の対応を、気持ちよく眺めながらいただけた。 また来ようと思える良い蕎麦屋である。
次回は、北海道産の小豆を長時間じっくりと煮た、おしる粉をデサートに温かいそばを食すことに決めた。
店名 | あさ乃(静岡市) |
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電話番号 | 0543?366ー1289 |
住所 | 静岡市清水区西久保176-33 |
アクセス | 東名清水インターより5分 |
営業時間 | 11:00-14:00、17:00-20:00 |
定休日 | 木曜日 |
平均的な予算(昼) | 1000円 |
平均的な予算(夜) | 昼と同じ |
予約 | 不要 |
クレジットカード | 不可 |
個室 | なし |
席数 | 18席 |
駐車場 | 7台 |
禁煙 | 禁煙 |
アルコール | 有り |
ホームページ | なし |