美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　栃木県は栃木氏市郊外の名刹,出流山満願寺の門前そばのお店。創業５０年になるおそばやさんです。昔の農家を少し改造した様な大きなお店でした。中は畳敷きの大広間で４０～５０人は入れそうな宴会場風の造りでした。
　お彼岸のお墓参りのついでに少し足を伸ばしてお邪魔しました。お昼１２時ちょうどくらいに着きましたが、既に１０組程が行列を作っていました。

　メニューにあるそばは、１人前とか1枚２枚ではなく、１合盛り,３合盛り,５合盛りといった表記です。５合盛りで３～４人前との事だったので、５合盛りでいいか？と話していると、係の方が６合盛りも出来ますよ～との声をかけてくれたので、せっかく名物のそばを味わいに来たのだからと、そばの６合盛りと野菜天と舞茸天を注文しました。

　出てきたそばは大ざるに盛られ３人で食べるには充分過ぎる量。野菜と舞茸の天ぷらもそこそこのボリュームでした。そば粉は地元産のものを自家製粉しているとの事で、少し粗目の田舎風で粒々感のある平打ちの二八そばでした。噛むほどにほんのりと甘みが感じられ、じわじわとそばの風味がくちの中に広がるいいそばでした。つゆは、だし感はしっかりありますが、やや甘めの印象でした。

　お腹一杯食べてお店を後にする際、何気なく厨房の方を見ると、薪がうず高く積まれています。そうですこちらのお店では、井戸の水を薪で沸かしてそばを茹でているんです。薪の火力の強さで一気に茹で上げるため、平打ちの田舎風のそばの割にはしゃきっとした食感のそばになったんだと改めて納得しました。