美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　今回が初めての食レポートでございます。初レポはとにかく地元からと考えて、近くに前々から気になっていました手打ちのお蕎麦屋さんに足を運びました。
　
　この地に開店35年以上にもなる地元のお蕎麦屋さん。正面右側に通りからガラス越しに見える打ち場が前々から気になり、ちょいちょい覗いておりました。店内は奥に長細く歴史が漂う良い感じです。手前卓のテーブル中央には、昔使っていたらしい囲炉裏があり、落ち着いた雰囲気がありました。

おしながき片手に蕎麦粉をお聞きすると、店での自家製粉で中国とアメリカ産をブレンドしているとのことでした。お蕎麦は1種類でおしながき、どれも同じ麺とのことです。

　食味体験レポートではそのお店の顔となる「もり」か「せいろ」を必ず食したレポートにしたいと考えていますので、このお店ではおしながきの「もり」を注文。あと迷ったすえに「鴨南ばん」をお願いしました。

　出て来たもりはやや太めに切りそろえてあり、とても噛みごたえがある麺です。蕎麦の香りはやや薄い感がありますが量は十分にあります。つゆは濃厚なかえしが、良く取れた出汁と合っていてとてもおいしいです。蕎麦湯で、好みの濃さまで割ってとても満足しました。

　そしてあたたかい麺で注文した鴨南ばん。店主が良心的な価格で鴨肉を提供しているのも伝わり、またそれが出汁の良く取れた濃厚なあたたかい甘つゆと合わさってからんだ麺はとてもおいしいです。こちらのかえしの濃厚さは個人的にも好きで、つゆも最後までいただいてしまいとても満足しました。

　全国､都内や近郊に沢山の名店がありますが､地元での手打ちのおそば屋さんにはこれを機会にもっと足を運ぼうと思います。