美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

神田の魚楽洞が手掛けた、そば茶寮だけあって、定番の蕎麦前以外にも鮮度抜群の魚介類もおすすめ。
肝心の蕎麦は、粗目の国内産石臼粉を外一で打っているとの事で、多少いつもより多めに噛んでいると甘みがじんわりと感じられた。
麺帯は太過ぎず、細過ぎず、塩分を抑えながらも濃い目の汁との相性も良く、蕎麦の温度も締め過ぎず最適。
同僚が注文した柚子切りは、最後に青柚子の皮を擦り散らし、「追い鰹」ならぬ「追い柚子香」、白いさらしな蕎麦にちりばめられた緑の斑点模様が、より一層の清涼感を演出していた。
もう一つのおすすめは、「暮坪かぶ」のおろしそば。岩手県遠野市産の暮坪かぶは、見た目は大根で辛味が強く、風味はかぶという初体験の根菜。
調べてみると、美味しんぼの３２巻にも登場していた。
最後に、美味しんぼといえば魯山人だが、この店は魯山人の料理を研究しているだけに、器の一つ一つにも趣を感じる。
２階に本物が展示してあるので興味のある方は是非。
後発の蕎麦屋が個性を出そうとして「過ぎ」てしまう中、全てのバランスが「過ぎず」にまとめられている店。