美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　会社から徒歩5分ほどのところに、手打ち蕎麦屋を発見した。新橋駅の烏森口からも約5分。第一京浜に面しており、環状二号線を渡って1ブロック先の角ビル2階にある。
　近くには立ち食い蕎麦屋も数軒あって、お昼時にはサラリーマンで賑わっているような環境に、手打ち蕎麦の暖簾が揺れていた。

　看板には、北海道産石臼挽きの十割蕎麦と書いてあるので、蕎麦好きにはたまらない。
　最初はビルの2階で階段を上がらなければならないから、チョッと敷居が高くて入りづらいと思ったが、美味しい手打ち蕎麦が食べられるかもという期待から恐る恐る入店してみた。

　店内は6テーブルに12席のこぢんまりしたフロアで、和風で雰囲気の良い作りだ。愛想の良い女性が、一人で注文と配膳を行っていた。

　早速、メニューから、冷たい蕎麦の゛せいろ゛を注文する。

　メニューには大盛り1.5倍と書かれているので、気になって聞いたところ、せいろ一皿は茹で麺が約230gとのこと。ちょっと少ないかなと思ったが、まずは食してみることにした。

　せいろは10分も経たないくらいで運ばれてきた。笊に蕎麦が盛られ、玉子焼きも付いてきた。

　十割蕎麦と聞いていたので一目見て、その細さに驚いた。早速、蕎麦を手繰り寄せ、そのまま一口食べてみた。流石に十割蕎麦である。噛んで口の中にほのかな香りが鼻に抜け、甘みが広がり、これは美味いと感じた。
　続いて、そばつゆをそのまま口に運び、飲んでみた。鰹だしの香りが漂い、汁そのものは、しょっぱさの中にも程よい甘みを感じた。
　蕎麦が乾かないうちにと、急いで蕎麦を汁に少しつけて、喉越しよく啜り、あらためて十割蕎麦の美味さを堪能した。せいろ一枚は直ぐに食べ終わってしまったので、次回は十割蕎麦を存分に味わいたいから、1.5倍の大盛りにしようと心に決めた。

　夜の営業はコース料理が中心のようで、7品と蕎麦コースに、毛蟹コース、ふぐ刺しコース、ふぐコースの各コースがあり、冬に向かう季節には、ふぐコースと地酒、〆には十割蕎麦というのもオツであり、是非再訪したいと思った。