入り口の門構えは凝っている。大きな切板と丸太・出屋根の瓦は何屋さん?と圧倒される。中に入ると玉砂利と敷石である。右手に蕎麦打ち場、左手の階段を登っていくと、店の入り口になる。その入り口の前には、石臼が置いてある。やっと店内へ。テーブル席も1枚板で壁も板張りで凝っている。13時過ぎの到着であったので全席ほぼ満席だった方々が一斉に退店しはじめ急に静かになった店内である。店主は気さくで何でも話してくれる。
早速豆腐、玉子焼きを注文する。豆腐は自然な味の木綿である。玉子焼きは見た目にもトロリとしている。しかし、外側はしっかり、中は出汁と卵が適度な甘さと柔らかさをかもし重厚さも味わえる。
1日十食の手挽きそばは、備前焼のような皿に盛られている。会津坂下の蕎麦粉使用と聞く。下呂の仲佐で頂いた手挽きそばと同じ色をしている。瑞々しさもあり透明感と星の入った線状はいかにも手挽きを連想できる。店主の渾身の1品で2012年の〆をできる幸せを感じる。固くもなく柔らかくもないそばは、軽くもなく重くもない適度さを維持した喉ごしであった。香りは畑の土とそばの実を振りまいているようだ。この感覚は不思議だが手挽きのみに感じられる。
次いで「湯だまりそば」という何やら分からないそばを注文したところ蕎麦が乳頭温泉に入っているような感じで提供された。そばは、太打ちあつもりと品書きにはある。2mmくらいの平打ちで厚みは1mmくらいである。色は茶ベージュ系である。福井・大野と群馬・沼田のブレンド蕎麦粉を使用しているという。長野須坂の辛み大根がたっぷり山盛りに蕎麦の上にのり青ネギのきざみと白の濃いそば湯と色よく目の前に出てきて内心この発想にびっくりした。濃いそば湯の中から出てきたひらそばの味は辛み大根とよくからみ絶妙な味わいである。この後、別の器に入った汁は自分で好みの量をかけていただいた。2度味わえる。
今日はさしずめ2012年を締めくくるそばの感謝祭であろか。そんなひと時である。遊び心たっぷりの店で十分楽しませて頂いた。
店名 | 吟八亭 やざ和 |
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電話番号 | 03-3690-8228 |
住所 | 葛飾区亀有 1-27-8 |
アクセス | JR亀有駅から徒歩8分 |
営業時間 | 昼 11:30〜15:00 夜 17:00〜20:00 |
定休日 | 木曜・第三水曜日 |
平均的な予算(昼) | 2000円 |
平均的な予算(夜) | 3000円 |
予約 | 可 |
クレジットカード | 不明 |
個室 | 半個室有 |
席数 | 26席 |
駐車場 | コインパーキング |
禁煙 | 禁煙 |
アルコール | 有、日本酒 |
ホームページ | http://www.kamijuku.com/chamber/option/yazawa/ |