本レポートを作成するために、店に2回出かけた。一度目は、平成24年10月25日、木曜日の午後11時30分に開店に合わせて店に行く。二度目は、10月30日火曜日、午後0時10分過ぎに行った。店は、東京メトロ副都心線、都営地下鉄大江戸線の東新宿駅から南側へ徒歩約4分、約300メートルの位置にある。明治通りと文化センター通りとの交差点近くの、日清食品のビルの東側である。店の周囲にはマンションや一戸建ての住宅街が広がる一方、明治通りの西側地域は日本有数の繁華街・歌舞伎町であり、飲食店や雑居ビル、ホテルなどが多数存在している。また、店の東側には新宿区文化センターがあり、コンサートなどの観客も店前を通行している。
自宅マンション兼店舗の1階に店はある。家族で経営していると思われ、家庭的な雰囲気が店内外ににじみ出ている。店の規模としては小さい。店内はモダンで落ち着いた内装で清潔感がある。テーブル席は4人席×1、2人席×4、カウンターは4席ある。各テーブルの上には全く物が置かれていない。すっきりしており、気持ちいい。カウンター席の上には焼酎や日本酒の一升瓶がズラリと並んでいる。個室は無い。両日とも、行列ができるほどの入店状況ではなかったが、常に6割以上の席が埋まっている状態であった。客層は多彩で、中年サラリーマンの小グループ、高齢者のご夫婦、若いカップル、中堅サラリーマン単独などさまざまである。子どもの姿はなかった。
初日は『生粉打ちせいろ(蕎麦粉10割)』900円を注文。蕎麦粉は福島県那麻郡西会津町産と添え書きがある。数量限定とのこと。
蕎麦はやや白く、太さもやや細め。蕎麦の色艶がまるで生きているかのように瑞々しい。一口食べてみる。程よいコシがあり、口の中でほどよく切れる。蕎麦がブツブツ切れることや、蕎麦粉のざらついた感じもない。口の中で蕎麦の甘味が広がり、香りも感じられる。絶妙。喉越しはとても良い。もっと食べたくなる。
やや少なめに盛られたせいろは2段になっており、2枚を合わせると結構な量となる。これに小ライス(かやくご飯)が付いている。大盛にしなくても足りる量であり、女性や高齢者であればこれで十分な量ではないか。
蕎麦つゆはやや辛口。味はしっかりしており、蕎麦をつけて食べると程よい味になっている。薬味はネギ、わさびが小皿で出された。
かやくご飯の中身は、白米にワカメのようだ。こうして小ライスがついているとサラリーマンのランチとしては非常にありがたい。血圧を気にする年代には少し塩気が強いような感じもするが、夏場あるいは汗を多くかく営業マンや作業員には最適だ。漬物はきゅうりと大根。
蕎麦湯は透明でさらっとしている。どちらかといえば白濁している濃いめの方が好みだが、うっすらと蕎麦の甘味も感じられるこの蕎麦湯は美味しかった。もちろん蕎麦つゆを割って飲んでも味にクセは無く、良好。実は、初日に『蕎麦湯が透明だったが甘くて美味しかった』と感想を店主の奥様に述べたところ、『営業開始直後のため、まだ蕎麦湯に色がついていない』との返事を貰った。そのため、営業を始めてからの色・味の違いを確認しなければならないと思い、短期間での再訪となった。2度目の時もやはり蕎麦湯は透明であった。初回に比べると白濁の度合いや味の深みも増してはいたが、さらっとした感じと透明感は変わらず、この店の特徴であると感じた。良いことであると思う。
再訪時は日替わりメニューの『はぜときすと野菜の天丼と小そば』を注文した。少し肌寒い天気ではあったが、『小そば』は食味の基本である冷たい『もり』をお願いした。
天丼は、少し硬めのご飯の上に、はぜ、きす、ナス、かぼちゃ、しいたけが乗っている。タレは程良く甘くて美味しい。はぜもきすも柔らかく、本当に美味しかった。口にした時の衣のサクッとした感触と、その直後に感じるはぜときすの何とも言えない身の柔らかさは絶妙であった。しいたけも肉厚で良かった。ご飯の量はちょうど良い。日替わりのランチは味も値段もボリュームもお得である。
『小そば』のもりは、椀に入っており、蕎麦つゆは既にかけられていた。蕎麦は適度なコシがあり、美味しかった。そして前回頂いた『生粉打ちせいろ』の味を思い出した。美味しさを比較すれば、やはり『生粉打ちせいろ』の旨さに軍配が上がってしまう。『生粉打ちせいろ』は旨かった。もう一度を食べたい・・・と素直に感じた。
全般的な印象としては、こじんまりとした店構えの中に、家庭的な雰囲気と店主の真面目さが感じられた。蕎麦に対する、一種の良い『こだわり』があるのだと思う。会社の昼休みに是非入りたくなる店。手頃な値段であり決して高級店ではないが、さりとて、どこにでもあるような大衆店の蕎麦屋とは違う。何か『品の良さ』のようなものを感じる店である。全体としての評価は良いと思う。
【写真の説明】
1 店内の様子
2 生粉打ちせいろ
3 はぜときすと野菜の天丼
4 蕎麦湯
5 店頭のメニュー
※主なメニュー
冷たい蕎麦
生粉打ちせいろ(そば粉10割):900円 ※大もりは300円増し
味くらべ(生粉打ちせいろと信州産):1,400円
せいろ(信州産):600円
辛みおろし(岩手県暮坪株):800円
とろろ(大和芋):850円
イベリコ豚の肉南ばんせいろ:850円
なすのみぞれせいろ:900円
鴨せいろ:1,500円
天せいろ:1,500円
穴子天せいろ:1,750円
温かい蕎麦
かけ:600円
辛みおろし(岩手県暮坪株):800円
山かけ(大和芋):850円
イベリコ豚の肉南蛮:850円
カレー南蛮:900円
カレー南蛮(辛口):1,050円
にしん(関西風):950円
親子南蛮(国産若どり):950円
鴨南蛮(埼玉県産):1,350円
天ぷらそば:1,350円
穴子天ぷら:1,600円
牡蠣(10月~4月):1,000円
本日のランチメニュー
国産若鶏の塩焼き丼:850円※小そば(もり)、お新香、冷奴、サラダ付き
お昼の日替わりメニュー
はぜときすと野菜の天丼と小そば(かけ、もり、たぬき):850円※お新香、冷奴、サラダ付き
日本酒
菊正宗・上撰:450円
宵!酔!セットメニュー(17:30~21:30 ラストオーダー)
※①酒類(ビール、日本酒、焼酎のうち1品)、②お通し、③お刺身、④天ぷら、⑤蕎麦(せいろ又はかけ) 以上5点セット:1,500円
店名 | 新田裏 小松庵 |
---|---|
電話番号 | 03-3203-0582 |
住所 | 東京都新宿区新宿6‐27‐17 |
アクセス | 東京メトロ副都心線・都営地下鉄大江戸線 東新宿駅から徒歩約4分 約300メートル 明治通りと文化センター通りとの交差点近く |
営業時間 | 昼 11:30~14:30 夜 17:30~21:30 ※土曜日は、11:30~14:00 |
定休日 | 日曜日・祝日 |
平均的な予算(昼) | 1,000円前後 |
平均的な予算(夜) | 1,500円(晩酌セット) |
予約 | 可 |
クレジットカード | 不明 |
個室 | 無 |
席数 | 16席 |
駐車場 | 無、付近にコインパーキング有り |
禁煙 | 禁煙 |
アルコール | 有 (焼酎、日本酒、ビール) |
ホームページ | なし |