美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　用賀駅に程近く小料理屋さんのような店構え、かつカウンター席だけ。さ、さぞかし震えがくるお値段かしらとどきどきしましたが、そのようなことはありませんでした。

おそるおそる入ったのですが、ご主人も女将さんも温かな雰囲気。かつ、カウンターの上にはだし巻き 400円、おにぎり100円などが並べられたりし、なんとも家庭的で良い雰囲気。

　店頭メニューでは日本酒、という表記しかなく、お酒は冷、燗一種類。っとなると、、、残念なお酒しかないかしら？と思いましたが、こだわりの地酒が用意されておりました。

　肴も豊富ではなく、酒がすすむ！っという感じでもないので、そんなに呑んでください！っという感じではいのかしら、とかご主人日本酒呑まれないのかしらと思ったり。しかし、お酒を頼むと無料でおつまみついてきますし、それがとても美味しい枝豆だったりすると嬉しくなってニマニマしてしまいます。
　ものがいいぷりぷりの枝豆、ゆで具合もかたさがあり、瑞々しく美味しかったです。 枝豆ぱくり、越州、くいっと。あー、働いたかいがありました。幸せ！

　お蕎麦は合い盛900円当いただきました。麺は時間差で茹でられ、太目の田舎の方は時間が多少たっても伸びないので一緒に盛り付けられても大丈夫でした。

　蕎麦の中心の方の粉で打たれたというせいろは、翡翠がかった淡い色。たっぷりの氷でびしっと締められたごく細麺はすらりと端正で、my塩つけて口に含むと蕎麦の甘くて酔い薫りがし、歯応えは鯛の刺身を思わせるしこしこ、ぷりぷりの食感。

　田舎の方は桜肉がかった官能的な色合いで、歯応えもざらりとむちっと。馬肉、かも肉、鹿肉を思わせるその色と歯応えはまさにジビエ。その薫りは、、、驚く程に余韻が長く、まるで赤ワインのよう！日本酒呑んでリセットしないとせいろには戻れないほどの新感覚。瑞々しいおろし山葵をのせていただくとまた味が引き締まり、美味しかったです。
　蕎麦湯は溶いて作るポタージュ系。

　鰹の酸もきいためんつゆも美味しかったです。こういうお店が行きつけのお店でした。、というのはなんとも格好いい、そう思わされるし、行きつけにしたいと思わされる素敵なお店でした。