美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　近所のそば店で、週末など非常にお客さんが多く繁盛している店だったので以前より気になっており、今回初めて訪問して見ました。 

　商業ビルに囲まれた国道沿いですが、そこだけ雰囲気の違う非常に趣のある歴史を感じる外観です。石畳みの小路を通って店内へ。土曜日の昼時で待合席に数組お客さんが待たれていましたが、一人だったので大テーブルの席へ案内されました。待合席からも店内からも見える中庭や、テーブル活けられた生花からお店の心遣いを感じる事ができます。

　メニューを見ると、「手打ち蕎麦」と「自家製粉蕎麦」の2種類に分けられています。その違いは自家製粉蕎麦がその名の通り店で製粉しており、外皮側の黒っぽい部分も一緒に挽き込み、はっきりとした香りの黒っぽい蕎麦だとの事。お得感のあるセットメニューも多数ありますが、今回は「手打ち蕎麦」のつけとろろ蕎麦をいただきます。

　運ばれてきたお蕎麦のボリュームにまず驚かされます。200g近くあるのではないでしょうか？隣で大盛りを注文していた方の量を見てさらに驚きました。お蕎麦が山のように盛られています。
　白っぽい透明感のあるそばの中に、粗挽きの粒が混ざっていて結構固目の茹で加減です。香りは控えめですが、そのためにも自家製粉のお蕎麦も用意されているのでしょう。

　山芋のとろろに大葉と海苔、卵の黄身が入っており、そこへそば出汁を入れかき混ぜてお蕎麦と一緒にいただきます。とろろも小鉢にたっぷり入っており、単品のお蕎麦だけで十分お腹一杯になりました。
　そば出汁が更科さんのようにかえしに砂糖を入れているのでしょう、非常に甘い出汁ですので、甘いのは苦手という方は、辛み大根(+100円)を注文できますので一緒に注文して調整してもいいかと思います。 

　入口に植えている楓や、中庭、店内の雰囲気など歴史と趣を感じるお店ですが、まわりに工場等が多い地元のお客様のニーズに合わせ、質の高いお蕎麦をお腹一杯になるよう努力してこられたのではないでしょうか。次回は自家製粉のお蕎麦を食べに行こうと思いました。