美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

平成２５年３月１５日、金曜日の午後６時に入店。新宿通り側から階段で地下に入り、左側最初の店。入口には雑誌やテレビの紹介履歴が掲げられている。非常に有名店の様子。

金曜日の夕方であり、入店待ちを覚悟したが、すんなりと入ることができた。先客に３０代のサラリーマンやカップル、老人男性などが４組あり。店内は清潔感があり、テーブル席がいくつも並んでいる。

間接照明が効果的に使われ、爽やかな音楽も流れている。私の好きなイマージュ(image)か。

　珍しい『下仁田葱天そば』(９００円)を注文する。『もりそば』(７００円)１枚に、割り箸くらいの太さに切った下仁田葱の天ぷらがひと皿付いてくる。もりそば１枚は約１２０～１５０グラムとのことなので、１．５人前の大盛り(１，０００円)をお願いした。女性店員の接客は明るく、特に問題無し。

　まずは下仁田葱の天ぷらが運ばれてくる。皿に盛られたネギは、割り箸大の太さ、約６センチの長さで揚げてある。ネギはサクサクしており、非常に食感が良い。苦味もない。油っぽさも感じなかった。一緒に出された物凄く辛い塩をかけると、さっぱりして美味しかった。塩はもう少し甘くても良い。

注文後１０分程で蕎麦が運ばれてくる。蕎麦は白色で、太さはやや細めか。香りははっきりと感じられた。歯ごたえもあり、喉越しも良かったが、僅かに茹で時間が長いような感じもする。少し柔らかめだ。蕎麦粉にはこだわりがあるようで、メニューの説明書きによれば、『茨城水府を始め各地の生産者の顔が見える契約農家に協力いただき、自家栽培に近いそば粉を使用した石臼挽きの自家製粉』とのこと。『採りたて、挽きたて、打ちたて、茹でたて』の『四たてそば』を楽しんでもらえるよう、努力しているとのこと。挽きたての香りが楽しめたことは嬉しい。大盛りの量は十分であった。

蕎麦汁は鰹節の香りがする。やや辛口であろうか、濃さは強めである。蕎麦が進むうちに濃さは適度に調節され、天ぷらを蕎麦汁に浸しても辛すぎることはなかった。蕎麦湯は白濁しているがあっさりしており、量は多めのため蕎麦汁を割って４杯楽しむことができた。『下仁田葱天そば』を小１時間程楽しんだが、気づいたら店内はほぼ満席状態。みんな楽しそうであった。

総評である。店主は蕎麦粉を始め、野菜や水、醤油、鰹節などの食材にこだわりを持っており、その気持ちはこちらに十分に伝わってきた。そのため、総合的には美味しかったと言える。メニューも豊富であり、『蕎麦を楽しむ』ことは十分にできる。ただ、前述のように、蕎麦が若干柔らかめであったことが少し残念である。『絶品の蕎麦』とまでは言えないが、家族やカップルが買い物帰りにちょっとおしゃれに食事し、あるいは、会社帰りに仲間と楽しく一杯飲みながら、気軽に蕎麦を楽しめる店として是非お薦めしたい。