美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

今回の店は、若者にも好まれそうなメニューが並ぶ中で、辛味大根の刺激がたまらない人気メニュー『辛味おろしそば』と、辛さに隠れたほんのりと甘く優しい味の蕎麦汁をご紹介したい。 

一度では全てを調査できないため、続けて２回訪問。

一度目は平成２５年６月１５日の午後２時２０分頃、２度目は同月２２日の２０時４０分頃に入店。

いずれも土曜日である。おしゃれな街『学芸大学』ということもあって、年配グループに混じって若い男女のカップルや女性の一人客も多い。

　初日は『冷たいせいろ（大盛無料）』＋『ミニ丼ぶり とり照り焼き丼』の『お得なランチセット Ｂ』(８００円)をお願いした。２回目は『辛味おろしそば』（８００円）に無料の小ライスを付けてもらった。

　『冷たいせいろ（大盛無料）』の蕎麦は一般的な色で、麺の太さは細め。蕎麦の香りはあまり強くは感じられない。始めは少し硬い部分もあったが、全体としては適度な噛みごたえ。粉っぽさもなく、滑らかな食感で喉越しは良い。大盛りをお願いしたこともあり、量は十分である。薬味はネギ、わさび、そして辛味大根。辛味大根は、結構辛い。

　セットの『ミニ丼ぶり とり照り焼き丼』は、甘辛の醤油ダレで味付けしてあり、焼き鳥のようで美味しい。量も十分である。

『辛味おろしそば』は、蕎麦の上に辛味大根、花かつお、ネギが乗り、上から蕎麦汁をかけて食べる。『冷たいせいろ』よりも少し麺が硬い。太さは細いような感じもするが、錯覚か。辛味大根の辛さは刺激的だ。大人の辛さで夏の暑さも吹っ飛ぶ。この刺激は病みつきになりそうだ。

蕎麦汁は鰹節の香りがする。鯖節も入っているように感じたので、店員に確認したところ、鰹節のみとのこと。味は僅かに辛口であるが、口に含むと甘さも感じる。辛さに隠れたほんのりと優しい甘味が何とも素晴らしい。辛味大根とも調和し、蕎麦湯にも見事に馴染んで一層柔らかく優しい味となっている。そして、『冷たいせいろ』で供された蕎麦汁は、こんなに客に出して儲けはあるのか･･･と思うほどの量を頂いた。割るために蕎麦湯のお替りを貰ったが、それでちょうど良いくらいだった。おかげで何度も楽しめた。

年配の蕎麦好きはもちろん、若者も手軽に蕎麦を楽しめ、若い女性が気兼ねなく一人で入ることのできる、清潔感溢れる店だ。是非、辛味大根の刺激と、蕎麦汁に隠れている優しい甘さを実感して欲しい。