美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

今回は、渋谷駅東口で見つけた蕎麦ダイニング。さっぱりとした喉ごしの蕎麦をランチセットで安く手軽に、あるいは仲間との飲み会の締めで楽しめる店を紹介したい。

　平成２５年８月９日、金曜日の午後７時過ぎに入店。店は地下１階にあり、大きな提灯が目印。階段に面したガラス窓には一升瓶がずらりと並んでいる。店内にはジャズ音楽がＢＧＭとして流れ、古民家風の居酒屋として多数の客で賑わっていた。夕食の蕎麦だけでも入店可能とのことで入店する。

　午前１１時から午後５時３０分までは『ランチタイムサービスメニュー』があり、『ライス大盛り』や『おかわり』のサービスが付いて９００円前後の手頃な値段で食べることができる。今回はその時間外であるため、『せいろ』（５２５円）の１．５倍盛り、『特盛りせいろ』（６３０円）をお願いした。

　『特盛りせいろ』の蕎麦の太さは細く、あまり濃くない一般的な蕎麦の色、香りは控えめ。コシというよりは茹で上げがやや硬めのようだが、喉ごしはさっぱりしており、どんどん箸が進む。蕎麦つゆは鰹だしで、やや甘め。薬味は、ネギとわさび。蕎麦湯は、やや白濁しており、薄めでさっぱりしている。

近くの席にいた高齢男性のグループも、また別の３０代の女性グループも、飲み会の締めの蕎麦を実に楽しそうに食べていた。蕎麦好きの私にとっては蕎麦の味自体は平凡に感じたが、量は十分であり、さっぱりとした喉ごしは若い男性にも喜ばれるものと感じ、老舗蕎麦屋の本格蕎麦とはまた一味違う蕎麦の楽しみ方があるようにも思う。

　若者やサラリーマンで賑わう渋谷の街で、昼間はランチメニューで安くガッツリ食べることができ、夜は楽しい仲間との飲み会の締めに、さっぱりとした蕎麦を楽しむことができる店である。和風の居酒屋だけに酒や焼酎の品揃えは豊富であり、刺身や串焼きなどのつまみも十分である。本格的な蕎麦の香りや食感を楽しむ専門店ではないが、渋谷の街を利用する方にとっては、実に便利で使い勝手の良い店にもなろう。知っておいて損はない。