美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　今回は、若者は気軽に、年配者はオシャレに蕎麦を楽しめる、ちょっと気になるダイニングバーを紹介したい。

　平成２５年７月に２回訪問した。２日火曜日の午後０時３０分頃、そして１２日金曜日の１３時過ぎ。都立大学駅を出て目黒通り方向に少し進んだ、右側の路地にある。小便小僧の像が近くにある。まさか蕎麦が食べられるとは思いもしない、内装外装がとても落ち着いたオシャレなダイニングバーだ。カウンターには日本酒や焼酎の一升瓶がずらりと並び、大人の隠れ家として、昼も夜も楽しめそうだ。

　両日とも、店オススメの『もり蕎麦』（７００円）をお願いした。蕎麦粉は、甘みとコシのある北海道産『ぼたん種』で、毎日店内で打っているとのこと。蕎麦の色はやや濃く、太さは少し細めで瑞瑞しい。蕎麦の香りは控えめ。少し強めのコシがあり、口の中で適度な存在感がある。

　どことなく『田舎蕎麦』のような感じ。噛むとほんのりと柔らかな甘みもある。蕎麦汁は僅かに辛口で少し薄めか。鰹の香りをしっかりと感じる。蕎麦の量は普通程度。薬味は多めのネギとわさび。蕎麦湯はやや白濁した濃厚タイプ。

　他にはない特徴として、蕎麦と一緒に味噌汁が付いてくること。初回はあさりの味がほんのり感じられ、２回目は茸がたっぷりと入っていた。『蕎麦に味噌汁は不要』との意見もあろうが、斬新でオシャレな店やメニューが増えたことで若者も蕎麦を楽しむようになった今、新たな食のスタイルとして蕎麦に味噌汁があっても良い。

　第一、この味噌汁、結構旨かった。 蕎麦も美味しかったが、昔ながらの蕎麦屋の概念にとらわれず、あらゆる年齢層が昼も夜も気軽に蕎麦を楽しめる店として貴重な存在だ。蕎麦も料理もメニューは多彩。季節の魚料理や焼き鳥もあり、酒の種類も豊富なお薦めの一店である。