美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　今回は、東京駅八重洲口や地下鉄日本橋駅にも近く、会社の出張や買い物帰りにぜひ立ち寄って欲しい、明るく落ち着いた空間を持つ、とても雰囲気の良い店を紹介したい。

　平成２５年１０月４日、金曜日の午後１時少し前に入店。店はビルの１階にあり、全面ガラス張りの外観と大きな看板が目印。ランチタイムもそろそろ終わりであるにもかかわらず、入店客がひっきりなしの状態。少し広めの店内は明るく清潔感があり、落ち着いた感じがする。明るく元気な女性店員に大きめのテーブル席に案内された。

　『ランチメニュー』の『本日のまかない丼と蕎麦』をお願いした。内容は『江戸前寿司と大海老天つけ蕎麦』とのこと。実に楽しみである。

　まずは寿司が運ばれてくる。まぐろや〆鯖、サーモンなど、やや大きめの５貫。少食の女性ならば、これだけで十分な量。味は及第点。

　蕎麦の太さは普通。あまり濃くない一般的な蕎麦の色。多少弱めだが香りも感じられる。つけ汁のため茹で上げは少し硬め。手打ちの二八蕎麦であろう。歯ぬかりもなく、喉ごしはさっぱりしており、蕎麦の味もする。麺の量は多い。他店の『大盛り』くらいありそうだ。つけ汁は色も味も濃い。しっかりとした海老の存在感とカイワレ大根の緑色が汁に映える。薬味のネギは多めだ。

　蕎麦湯は僅かに白濁しており、味は薄めでさっぱりしている。つけ汁はそのままでは味がかなり濃く辛いため、蕎麦猪口を別にお願いし、つけ汁を蕎麦湯で割って頂くことにした。つけ汁１：蕎麦湯２～３くらいの比で割ると、辛いつけ汁の中に隠れた甘さが引き出され、味の深みが一層感じられる。

　場所柄、サラリーマンやＯＬの利用も多く、『帰りに一杯！』の夜メニューを始め、接待や打ち上げに便利なコース料理も豊富にある。周囲に安価でランチを提供する店が多数あり、値段設定が全体的に若干高めのような気もするが、明るく落ち着いた空間で美味しい蕎麦や丼ぶりを十分に堪能でき、心も腹も満たされるのであれば決して高すぎることはないだろう。女性一人でも安心して利用できる店であり、東京出張のサラリーマンや買い物帰りの家族連れ、カップルにもお薦めしたい。ぜひ一度暖簾をくぐってみて欲しい。