鉄筋コンクリートビルの一階と2階。玄関の上には瓦葺の小屋根が取り付けて有り、その下に白字で「あさだ」と彫られたと大きな横板看板が掛けられている。玄関の左右に笹竹を活けてその後ろに篠竹のまがきを囲っている。何だか話に聞く「藪の内蕎麦」をイメージしているようにも感じるが、昔は何か関係があったのだろうか?戸口はガラスの入った格子戸で、その前に紫色の暖簾が掛かっている。近代的ビル群の中で、創業150年の歴史を主張している店構えである。
入り口を入った直ぐ右側に二階へ行く階段があり、その下にレジ席が置いてある。幅1メートル程の通路が、入り口から厨房まで続いている。手前左側には二人掛けの椅子席が縦に二つ、横に二つ向きを変えて並べられている。腰板で仕切られた奥に四人掛けの椅子席が二つ、通路を挟んだ右側にも四人掛け席が二つと二人掛け席が一つある。空間を一杯に使って客席を設えているのは、お客が多いからだと思う。
四人の女性がてきぱきとした応接で客を席につけて注文を取ってゆく。はやっているお店なので、相席は当たり前のようで客もこだわりなく応じる。お昼時にいったので、客が切れ目なく入ってきた。この時間は蕎麦前に熱燗を飲んだりはしないので、蕎麦を食べ終えると客は直ぐに出てゆく。回転の良さに驚く。2階に宴席があるので手が足りないのだろう、Youtubeの蕎麦打ち実演指導の動画に出ていた八代目の当代の若い主人が蕎麦を運んでいた。
いつものようにオオモリを一枚注文した。約10分ほどで出てきた。大きめの四角いせいろに、平たく麺が盛られている。盛りの多さはそれほどではない。麺線は若干太めで、色はやや緑がかっている。星はあまりない。薬味は葱と卸したての本わさび。
出汁を蕎麦猪口に注いでから舐める程度に口にいれる。辛すぎず甘すぎず調度良い味加減で好みに合う、鰹のだしが良く効いている。蕎麦の香りを嗅いで見る。鮮明で良い香り。
大きくすすり込んでから、舌を持ち上げて口蓋に押し付けると蕎麦の良い香りが口中に広がる。前歯で噛み切ってみる。若干太目で腰が強い。歯ぬかりはしないが、かなり弾力がある。お品書きには十割そばと書いてあったが、十割でこの弾力は信じ難い。どうやって打つのだろう?(お茶の給仕に着た女性につなぎの有無を訊いてみると、卵水だけを入れているがその他にはなにも入れていないとのことであった。)噛み込んで見る、太めで弾力があるので噛みこむ回数が多めになる。噛む度に蕎麦の香り(味?)が広がり、ほんのりと甘みが出てくる、味わいは上の中。(味の表現はどうしたものか?といつも悩む。そばが美味しいと感じるのは、口に入れた時と噛みこんだ時に感じる蕎麦の香りが肝心のように思う。しうかし、香りは鼻で感じるものだから、舌が感じるのは甘み以外に何だろう?)
次に汁につけて大きくすすり込む。汁が蕎麦にからまり味の調和が良い。
あっという間に一枚平らげてしまった。少し物足りない。蕎麦前を楽しんでから、最後にすっとそばをたぐって仕上げる。腹一杯にしないのが粋な蕎麦喰いの仕方かもしれない。
店名 | あさだ |
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電話番号 | 03-3851-5412 |
住所 | 東京都台東区浅草橋2-19-11 |
アクセス | JR総武線浅草橋駅 都営地下鉄浅草線浅草橋 |
営業時間 | 平日:午前11:30~午後2:30 午後5:00~10:00 土曜:午前11:30~午後2:30午後5:30~9:00 |
定休日 | 日曜・祭日 |
平均的な予算(昼) | 1000円~2000円 |
平均的な予算(夜) | 3000円~5000円 |
予約 | 可 |
クレジットカード | 可 |
個室 | 有 |
席数 | 1階 二人用テーブル席x 5、 4人用テーブル席x 4 |
駐車場 | 無 |
禁煙 | 不明 |
アルコール | 有 |
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